ATR=いまの相場が1本で
どれくらい動くかの目安
TeamREIのツールの説明書やパネルに出てくる言葉を、1つずつ解説しています。今回はATRとボラティリティです。
ひとことで言うと
- ボラティリティ=値動きの大きさ。「荒い相場・静かな相場」を数字にしたものです。
- ATR(Average True Range)=1本の足が動いた幅の平均。ふつうは直近14本で計算します。
- 使いどころは方向の予想ではなく、損切り幅・トレール幅・利確幅を決めることです。
- ATRが大きい=上がる、ではありません。向きの情報は入っていません。
ATRは何を測っているか
1本の足について「高値−安値」を測り、前の終値からの飛びも入れて(=True Range)、その平均を取ったものです。数字はそのままpipsとして読めます。
| ATRの読み方の例 | 意味 |
|---|---|
| 1時間足のATRが20pips | この相場では、1時間でだいたい20pips動いている |
| ATRが2倍になった | 荒れている。同じ損切り幅では切られやすい |
| ATRが半分になった | 静か。同じ利確幅では届きにくい |
使い方(幅を決める物差しとして)
- 損切り幅=ATRの1〜2倍。ふだんの揺れの外側に置く、という考え方です。
- トレール幅=ATRの1〜1.5倍。狭すぎると、ふつうの戻りで切られます。
- 利確幅=損切り幅の何倍、と決める。ATRで損切りを決めれば、利確も自動的に相場の大きさに合います。
- 入る・入らないの判断。ATRが極端に小さい時間帯(東京の昼など)は、同じ幅を狙っても届きません。
「同じpips」は、通貨ペアと時期によって意味が変わります
TeamREIの集計では、2022年以降、円が絡むペアの1分あたりの値幅が1.3〜1.9倍に広がっていました(戻る確率や行き過ぎの回数は変わっていません)。昔の設定のまま「損切り10pips」を使い続けると、切られる回数だけが増えます。幅を相場の大きさに合わせるのが、ATRを使う理由です。
長所と短所
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 通貨ペアが変わっても同じ考え方で幅を決められる | 方向はまったく分からない |
| 相場が荒れた時期に自動で幅が広がる | 急変の直後は数字が大きいまま残る(反応が遅い) |
| 計算が単純で、結果を説明しやすい | 「何倍が正解か」は自分で決める必要がある |
実測でわかったこと:損切りは「節目」より「大きさ」
TeamREIは「キリのいい値段や節目の外側に損切りを置くと有利か」を、4通貨ペア・17年分で調べました。結果は偏りなし。対照を2通り置いても差は出ませんでした。
いっぽうで、同じ検証で効いていたのは「pipsで何pips離すか」ではなく「ATRの何倍離すか」でした。置き場所を決めるなら、値段の見た目ではなく、その相場の大きさを基準にするほうが筋が通ります。
よくある質問
ATRの期間は14本が正解ですか?
慣習です。短くすると直近に敏感、長くすると鈍くなります。変えるなら、切られ方がどう変わるかを記録で見比べてください。
ATRが大きいときは取引しないほうがよいですか?
取引しない、ではなく幅を広げて量を落とすのが基本です。1回の損失額を同じに保てば、荒れた相場でも続けられます。
ボラティリティとATRは同じものですか?
ボラティリティは「値動きの大きさ」という考え方全体を指し、ATRはその測り方の一つです。標準偏差で測る方法(ボリンジャーバンドなど)もあります。
時間帯によっても違いますか?
大きく違います。東京の昼は静かで、ロンドン・ニューヨークの時間は大きくなります。同じ設定を1日中使うと、時間帯によって意味が変わります。
TeamREIのツールでは、どこに出てくるか
| ツール | 出てくる場所 |
|---|---|
| REI TradePanel | 損切り幅の目安(ATR倍での指定) |
| REI Stack | 幅と目安の線をATRで出します |
| HourClock(無料) | 時間帯ごとの値幅の集計(どの時間が大きいか) |
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この記事について
・「節目の外側の損切りに偏りは無い/効いていたのはATR倍」は、TeamREIが4通貨ペア・17年分で行った検証の結果です。「2022年以降、円ペアの1分値幅が1.3〜1.9倍」も自社の集計によります。
情報提供を目的としたもので、特定の取引や商品を勧めるものではありません。