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SMCは本当に効くのか?FVGと流動性スイープをドル円1時間足72,802本で数えた

コラム|相場のデータ2026年9月21日公開PR・広告を含みます

「FVGは埋まる」は本当。
ただし進むほうが多い

FVGに1日以内に戻った割合84.4%よく当たるように見えます
同じ幅だけ順方向へ進んだ割合97.0%対照を置くと逆転します

SMC(スマートマネーコンセプト)は、いま国内でも急に増えている相場の見方です。「FVG(価格の隙間)は埋まる」「流動性を狩ったあとに反転する」とよく説明されます。TeamREIがドル円の1時間足72,802本(2015年〜2026年9月)で、この2つを数えました。

先に結論

  • FVGには1日以内に84.4%戻ります。ただし同じ幅だけ順方向に進む確率は97.0%。「戻る」より「進む」のほうが多い、ということです。
  • 戻るまでの本数は中央値で2本。隙間の大きさ自体が中央値4.4pipsと小さく、すぐ触れて当たり前の大きさでした。
  • 10pips以上の大きいFVGだけに絞っても、戻り81.2%・順行90.3%で順番は変わりません
  • 戻ったあとに反発したかは52.6%/48.4%とほぼ五分。支えや天井としては効いていません。
  • 高値を一瞬抜いて戻した足(流動性スイープ)の10本後に下がった割合は49.5%。ぜんぶの足(48.1%)との差は誤差の幅の中でした。

この記事は「SMCは使えない」と言うものではありません

調べたのは「その形が出たら次はこう動く」という当たり外れだけです。SMCの用語そのものは、相場の構造を言葉にして整理するのに役立ちます。数字で言えるのは「その形が出ただけでは優位にならない」というところまでです。

調べた2つの主張と、対照の置き方

SMCでよく言われるもののうち、数えられる形になっている2つを選びました。

主張数え方対照(比べる相手)
FVG(3本で空いた隙間)は埋まる隙間の縁に戻るまでの本数同じ幅だけ順方向に進む確率
流動性スイープのあと反転する直近20本の高値を高値で抜き、終値は戻した足の10本後ぜんぶの足の10本後

対照を置かないと、どんな形でも「よく当たる」ように見えます。相場はどちらへも動くので、「戻ってくる確率」は単独では高く出るためです。TeamREIでは、調べたい性質だけを外した対照を必ず作ることにしています。

あわせて読む スマートマネーコンセプト(SMC)とは|BOS・CHoCH・オーダーブロック・FVG 用語と見つけ方を図でまとめています。この記事の言葉が分からないときはこちらから。

検証1:FVGは埋まるのか

FVGの戻りと順行の比較。24本以内に戻ったのは84.4%、同じ幅だけ進んだのは97.0%
FVGの戻りと順行の比較。24本以内に戻ったのは84.4%、同じ幅だけ進んだのは97.0%

上向きのFVG(下に隙間ができる形)は11年で7,452件ありました。1日(24本)以内に隙間の縁まで戻ったのは84.4%、1週間(120本)以内なら92.4%です。数字だけ見れば「埋まる」は当たっています。

ただし同じ期間に、同じ幅だけ順方向へ進んだ回は97.0%ありました。戻りより順行のほうが多いのです。隙間の大きさは中央値で4.4pips。ドル円が1時間で動く幅からすれば小さく、どちらの向きにもすぐ触れる大きさでした。

「小さい隙間ばかり数えているからでは」と考え、10pips以上のFVGだけに絞っても、戻り81.2%・順行90.3%で順番は変わりませんでした。

戻ったあとに反発したか(縁に触れた足から10本後の終値)も数えました。上向きで52.6%、下向きで48.4%。ここも五分五分で、「FVGが支えになる」形にはなっていません

検証2:流動性スイープのあとは反転するのか

スイープ後に思った方向へ行った割合と、ぜんぶの足との比較
スイープ後に思った方向へ行った割合と、ぜんぶの足との比較

「直近の高値を一瞬だけ抜いて、終値では戻す」足を数えました。11年で3,465回あります。その10本後に下がっていたのは49.5%でした。

比べる相手は、ぜんぶの足の10本後です。こちらは48.1%。差は1.4ポイントで、スイープ側の誤差の幅(±1.7ポイント)の中です。安値側のスイープ(2,948回)にいたっては51.2%で、ぜんぶの足(51.8%)より低い結果でした。

終値でも抜けた「ブレイクが成立した足」のほうも見ましたが、こちらも52.6%対51.8%で、やはり誤差の範囲でした。

1時間足・ドル円・10本後という条件での結果です

時間足や通貨ペア、見る本数を変えれば数字は変わります。「どの条件でも効かない」と言えるわけではありません。ただし、条件をいろいろ変えて良い組み合わせだけを選ぶと、たまたま出た差を実力と勘違いします。TeamREIではその探し方は使いません。

では、SMCはどう使うのがよいか

数字が示したのは「形が出ただけでは優位にならない」ことで、「見方として無意味」ということではありません。実際に使うなら、次の2つに絞るのが現実的です。

①どこで間違いと分かるかを、はっきりさせる道具として使う

スイープやFVGは、「ここを越えたら自分の見立ては違った」という線を引きやすい形です。当たる確率ではなく、損切りの置き場所を決める材料として使うほうが理にかないます。

②単独で使わず、根拠を重ねる

1つの形では差が出ませんでした。方向・時間帯・上位足の向きなど、別の根拠と重ねて初めて偏りが出ます。重ねた根拠がいくつあるかを数える形にすると、毎回の判断がぶれません。

TeamREIでは、高値安値の切り上がり・BOS/CHoCH・オーダーブロック・FVG・スイープを確定した足だけで描く無料インジケーターを公開しています。この記事の数え方を自分のチャートで確かめるところから始められます。

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あわせて読む バックテストで勝てるのに本番で負ける理由|成績が4割消えた実例 「条件を変えて良い数字を探す」と、なぜ本番で消えるのかをまとめています。

データについて

・Dukascopy のドル円ティックからTeamREIが作った1時間足(仲値)72,802本、2015年1月1日〜2026年9月8日。週明けなど12時間以上空いた足をまたぐ判定は除きました。

・FVGは「2本前の高値より今の足の安値が上(またはその逆)」で判定し、隙間の縁に触れた時点を戻りとしました。スイープは直近20本の高値を高値で更新し、終値はその高値を下回った足(安値側はその逆)です。

過去のデータの集計で、将来も同じになることを保証するものではありません。情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。

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