損益分岐勝率とは|スプレッドとペイアウト率から「何%勝てばいいのか」を出す
FX・バイナリーの基礎
損益分岐勝率とは|スプレッドとペイアウト率から「何%勝てばいいのか」を出す
勝率だけを見ても、勝てるかどうかは分かりません。FXは損益比とスプレッド、バイナリーはペイアウト率から、必要な勝率が計算できます。早見表つきです。
損益分岐勝率とは
損益分岐勝率とは、それを上回れば収支がプラスになる勝率のことです。英語では break-even win rate といいます。
計算式
損益分岐勝率 = 1 ÷ (1 + 損益比)
損益比は「1回の利確 ÷ 1回の損切り」です。利確20pips・損切り10pips なら損益比は 2.0、損益分岐勝率は 1 ÷ 3 = 33.3% になります。
FXの場合(損益比)
| 損益比(利確÷損切り) | 損益分岐勝率 | 意味 |
|---|---|---|
| 0.5(利確10・損切り20) | 66.7% | 3回に2回勝ってようやくトントン |
| 1.0(利確10・損切り10) | 50.0% | コイン投げと同じ |
| 1.5 | 40.0% | |
| 2.0(利確20・損切り10) | 33.3% | 3回に1回勝てばいい |
| 3.0 | 25.0% | |
| 5.0 | 16.7% | 6回に1回でいい。ただし連敗は長くなる |
勝率と損益比は、ほとんどの場合トレードオフです。利確を遠くすれば勝率は下がり、近くすれば上がります。「勝率が高い手法」を探すのではなく、その勝率と損益比の組み合わせが分岐点を超えているかを見てください。
スプレッドの影響
実際にはここにスプレッド(往復コスト)が乗ります。エントリーで1回、決済で1回。スプレッド0.5pipsなら往復で1.0pipsが毎回引かれると考えてください。
| 狙う値幅 | 往復1.0pipsの重み | 影響 |
|---|---|---|
| 5 pips | 20% | コストだけで期待値がほぼ消えます |
| 10 pips | 10% | スキャルピングの現実的な下限 |
| 30 pips | 3.3% | デイトレードなら気にならない水準 |
| 100 pips | 1.0% | スイングならほぼ無視できる |
「方向は当たっているのに勝てない」の正体はここです。短い値幅を狙うほど、コストの比重が跳ね上がります。勝率が50%を超えていても、狙う値幅が小さければ負けます。
バイナリーの場合(ペイアウト率)
バイナリーオプションでは損益比が固定です。ペイアウト率が1.85倍なら、勝てば+0.85、負ければ−1.0。つまり損益比は0.85で固定されます。
計算式
損益分岐勝率 = 1 ÷ ペイアウト率
ペイアウト1.85倍なら 1 ÷ 1.85 = 54.05%。この数字を超えないかぎり、どれだけ取引しても収支はマイナスに向かいます。
| ペイアウト率 | 損益分岐勝率 | コメント |
|---|---|---|
| 1.75倍 | 57.1% | かなり厳しい水準 |
| 1.80倍 | 55.6% | |
| 1.85倍 | 54.1% | 短時間判定でよくある水準 |
| 1.90倍 | 52.6% | |
| 1.95倍 | 51.3% | |
| 2.00倍 | 50.0% | コイン投げと同じ。実際にはまれ |
ペイアウト率が0.05違うだけで、必要な勝率は1.5ポイントほど変わります。同じ手法でも、取引所と判定時間の選び方で結果が変わるということです。
早見表
手元の成績が「勝てているのか」を確かめる手順です。
使うときの注意
| よくある誤解 | 実際のところ |
|---|---|
| 勝率が高いほうがいい手法だ | 損益比とセットでなければ意味がありません。勝率90%でも、1回の損切りで全部返すなら負けます。 |
| 少ない回数で勝率が出た | 30回で60%と、300回で55%では、後者のほうがはるかに信用できます。 |
| バックテストの勝率をそのまま使える | スプレッド・スリッページ・約定拒否が入っていない数字は、実際より良く出ます。 |
| 分岐点を少し超えていれば勝てる | 手数料・スワップ・執行のズレがあるので、数ポイントの余裕がないと実際にはプラスになりません。 |
関連する道具
当サイトのインジケーターは、いまのスプレッドと往復コストを画面に表示します。「その値幅を狙って、コストに勝てるのか」をその場で確かめられます。
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