プライスアクションとは|ローソク足の「かたち」5種類を図解でぜんぶ解説
FX・バイナリーの基礎
プライスアクションとは|ローソク足の「かたち」5種類を図解でぜんぶ解説
ピンバー・スパイク・リバーサル(包み足)・アウトサイドバー・インサイドバー。それぞれどういう形で、相場で何が起きていて、どこで出たら意味があるのかを、図つきで一つずつ説明します。
プライスアクションとは
プライスアクションとは、移動平均線やオシレーターのような計算値をいっさい使わず、ローソク足の形と並びそのものから相場を読む方法のことです。日本語では「値動きそのもの」と訳されます。
なぜローソク足を見るだけで何かが分かるのか。理由は単純で、ローソク足は「そこで実際に約定した注文の跡」だからです。
指標の計算値と違って、ローソク足は世界中のトレーダーが同じものを見ています。「ここで長い下ヒゲが出た」という事実は、日本の個人投資家にも、ロンドンの銀行のディーラーにも同じように見えています。だからこそ、意識される場所で出た形には実際に注文が集まります。
プライスアクションが古くから使われている理由
ローソク足そのものは江戸時代の米相場(本間宗久)にさかのぼると言われ、欧米では1990年代にスティーブ・ニソンが体系的に紹介して広まりました。「酒田五法」「包み足」「はらみ足」といった日本語の呼び名が、いまも Engulfing/Harami として海外でそのまま使われています。何百年も残っている読み方だ、という点そのものが根拠のひとつです。
インジケーターと何が違うのか
| 移動平均・オシレーター | プライスアクション | |
|---|---|---|
| 情報の出どころ | 終値を計算した結果 | 値動きそのもの |
| 遅れ | 計算に使う本数のぶん必ず遅れる | その足が閉じた瞬間に分かる |
| 設定の違い | 期間の設定で人によって結果が変わる | 誰が見ても同じ形 |
| 分かること | 方向・行き過ぎの度合い | その値段が受け入れられたか、拒否されたか |
| 弱いところ | レンジで機能しにくい | 「どこで出たか」を自分で判断する必要がある |
どちらが優れているという話ではありません。インジケーターは「相場の状態」を、プライスアクションは「その一瞬の攻防」を教えてくれます。実際には、上位足の方向をインジケーターで見て、入り口をプライスアクションで探す、という組み合わせがよく使われます。
先に用語:実体・ヒゲ・高安の更新
この4つが分かれば、以下の5種類はすべて同じ言葉で説明できます。かたちの名前を覚えることが目的ではありません。「この形のとき、売り手と買い手に何が起きたのか」が言えるようになることが目的です。
① ピンバー(買い)
ピンバー(買い)
PIN BAR / 下ヒゲの長い足
- 1長い下ヒゲ。いったんここまで売られた
- 2実体は小さい。下ヒゲの30%以下が目安
- 3直近3本の安値を割ってから戻している
どんな形か
ヒゲが足の半分より長く、実体がそのヒゲの3割以下。ローソク足が「T」の字に近い形になります。
売り手が安値を試しに行って、直近の安値も割った。ところがそこで買い手が全部拾って、足が閉じるまでに押し戻した。長い下ヒゲは「その値段は安すぎる」と市場が判断した跡です。売り手にとっては、抜いたはずの安値で買い戻されたことになります。
どこで出たら意味があるのか
前日安値・今週安値・キリ番(.00/.50)・上位足の直近安値など、もともと注目されている値段の近くで出たものです。何もない値幅の真ん中で出たピンバーは、単に一時的に行き過ぎただけのことが多くなります。
だましになりやすい場面
指標発表の直後(値が飛んでヒゲができただけ)、参加者が少ない早朝の時間帯、強い下降トレンドの途中。トレンドの途中のピンバーは「一時的な戻り」で終わることが珍しくありません。
② ピンバー(売り)
ピンバー(売り)
PIN BAR / 上ヒゲの長い足
- 1長い上ヒゲ。いったんここまで買われた
- 2実体は小さい。上ヒゲの30%以下が目安
- 3直近3本の高値を超えてから戻している
どんな形か
買いのピンバーを上下逆にした形です。ローソク足が「逆T」の字に近くなります。
買い手が高値を試して直近高値も超えたのに、そこで売り手に全部押し戻された。高値を追って飛び乗った買い手が、足が閉じた時点で全員含み損になっています。上ヒゲは「その値段は高すぎる」と拒否された跡です。
どこで出たら意味があるのか
前日高値・今週高値・キリ番・上位足の直近高値。「そこを抜けたら上」と多くの人が見ていた場所で、抜けきれずに戻ったときがいちばん強い形です。
覚えておきたいこと
上ヒゲのピンバーは、高値掴みした買い手の投げ売りを巻き込むことがあるため、下ヒゲより勢いよく落ちることがあります。
③ スパイク
スパイク
SPIKE / 突っ込みからの折り返し
- 13本続けて安値を切り下げている=一方的に売られている
- 2そこへ長い下ヒゲ。売りが尽きた
- 3直近3本の安値も割ってから戻している
どんな形か
ピンバーの条件に加えて、その直前に3本続けて押している(戻している)という条件が付いた形です。
ただのピンバーとの違いは「文脈」です。3本続けて下げてきたということは、売り手が一方的に押し込んでいた状態。そこで長い下ヒゲが出るのは、売り注文が出尽くして、買い戻し(ショートカバー)が入った可能性を示します。
ピンバーとどちらを使うか
スパイクは条件が厳しいぶん回数がおよそ半分になります。ダマシを減らしたいならスパイク、回数がほしいならピンバー単体、という使い分けです。
注意
「一方的に売られていた」ということは、強い下降トレンドの真っ最中でもあるということです。戻りを取るつもりが、トレンドの再開に巻き込まれることがあります。損切りはヒゲの外側に必ず置いてください。
④ リバーサル(包み足)
リバーサル(包み足)
REVERSAL / ENGULFING / 前の足を飲み込む足
- 1前の足は陰線。売り手が勝っていた
- 2次の足が陽線で、前の足の高値を終値で抜く
- 3同じ足で前の足の安値も更新している
どんな形か
前の足と逆の色で、前の足の高値(安値)を終値で抜き、かつ前の足の安値(高値)も更新した足。日本では「包み足」「抱き線」と呼ばれます。
前の足で売った人は、いったん含み益になっています。ところが次の足でその足の安値も高値も両方取られた。つまり前の足で売った人が全員、含み損に変わったということです。その損切りがそのまま上昇の燃料になります。
強い包み足の条件
①前の足より明らかに大きいこと、②実体で抜いていること(ヒゲだけで抜いたものは弱い)、③直近の高安の更新をともなっていること。このインジケーターの「強化」設定は、②と③を必須にするためのものです。
だましになりやすい場面
持ち合いの中では包み足が何度も出ます。行って来いを繰り返しているだけなので、レンジの中の包み足は基本的に見送りです。
⑤ アウトサイドバー
アウトサイドバー
OUTSIDE BAR / 上下どちらの損切りも取った足
- 1前の足(と2本前)の高値・安値の両方を包んでいる
- 2終値は前の足の高値より上。買い手が勝って終わった
- 3その前に安値も取りに行っている
どんな形か
前の足の高値と安値を両方とも取った足です。包み足(リバーサル)との違いは、前の足の色を問わない点にあります。
この足の中で、下に置かれていた損切りも、上に置かれていた損切りも、両方いっぺんに約定したということです。「ストップ狩り」と呼ばれる動きがこの形で出ます。上下の損切りを一掃したあと、終値の方向へ素直に伸びやすいのが特徴です。
2本前も包むと強い
包む本数が多いほど、それだけ多くの損切りを巻き込んだことになります。このインジケーターの「強化」設定は、2本前の高安も包んだときだけに絞るためのものです。
注意
アウトサイドバーは値幅そのものが大きいため、足の外側に損切りを置くと、損切り幅も大きくなります。損切り幅が許容を超えるなら、そのシグナルは見送るのが筋です。
⑥ インサイドバー
インサイドバー
INSIDE BAR / はらみ足 / 前の足の中に収まる足
- 1前の足の値幅の中に、すっぽり収まっている=様子見
- 2次の足がその高値を終値で抜いた(スラスト)
どんな形か
前の足の高値と安値の内側に収まった足です。日本では「はらみ足」と呼ばれます。
前の足で大きく動いたあと、誰も新しい値段を試しに行かなかった状態。売り手と買い手が様子を見て、力が拮抗しています。大事なのはこの形そのものに方向はないということ。「次にどちらへ抜けるか」が焦点になります。
使い方はブレイクアウト
インサイドバーの高値と安値の外側に逆指値を置いて、抜けたほうについていくのが定石です。抜けなかった側の注文は取り消します。収まっている期間が長いほど、抜けたときの動きが大きくなりやすいとされています。
スラストつきに絞る
ただのインサイドバーは頻繁に出るので、「次の足がその高安を終値で抜いた」ところまで待つと数が絞られます。このインジケーターの「次足スラストつきだけにする」がそれです。
かたちは「場所」とセットで初めて効く
ここがいちばん大事なところです。同じピンバーでも、出た場所によって意味がまったく違います。
| 出た場所 | その形の意味 |
|---|---|
| 前日高値・安値/今週の高安 | 多くの人が損切りと利確を置いている値段。反応が出やすい |
| キリ番(.00 / .50) | 指値・逆指値が集まりやすい。抜けきれずに戻った形は特に注目される |
| 上位足の直近高安 | 大きな流れを見ている参加者の判断が出る場所 |
| 値幅の真ん中・何もないところ | ただの行き過ぎ。基本は見送り |
| 指標発表の直後 | 値が飛んだだけで形ができる。ヒゲの意味が変わるので避ける |
当サイトでは、キリ番のラインを自動で引く RoundNumber と、時間帯ごとのクセを自分のチャートで集計する HourClock を無料で配布しています。「場所」と「時間」を絞る道具として、プライスアクションと相性がいいものです。
時間足の選び方
| 時間足 | 性格 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 1分足・5分足 | 回数は非常に多いが、ノイズも多い | バイナリー、短時間のスキャルピング |
| 15分足・1時間足 | 回数と信頼性のバランスがいい | デイトレード。最初に使うならここ |
| 4時間足・日足 | 回数は少ないが、1つの形の重みが大きい | スイング。上位足の方向を決めるのに使う |
下位足ほど「かたち」は壊れやすくなります。1分足のピンバーは、スプレッドが少し開いただけでも形が変わります。まずは15分足か1時間足で形に目を慣らすことをおすすめします。
なお、そのかたちを使って勝てるかどうかは、勝率だけでは決まりません。狙う値幅とスプレッド(バイナリーならペイアウト率)から損益分岐勝率を出して、そこを超えているかで判断してください。
メリットとデメリット
後半の3つ(場所・主観・数)は、自動検出のインジケーターを使うとかなり軽くなります。形の判定を数値で固定してしまえば主観は消えますし、見たいかたちだけに絞れば数も減らせます。
よくある誤解
| よく言われること | 実際のところ |
|---|---|
| ピンバーが出たら逆張りで入れる | 場所を選ばなければ、ただの行き過ぎに逆らうだけになります。節目で出たものに絞ってください。 |
| 包み足が出たらトレンド転換 | 持ち合いの中では何度も出ます。転換の合図になるのは、節目に到達したあとの包み足だけです。 |
| ヒゲが長いほど強い | 長さそのものより、そのヒゲがどの値段を拒否したかが重要です。何もない場所の長いヒゲには意味がありません。 |
| インサイドバーは上に抜けやすい | 方向の偏りはありません。抜けた方向についていくのが本来の使い方です。 |
| 確定前に形が見えたらすぐ入るべき | 足が閉じるまでに形は変わります。「確定前に気づいて、閉じてから判断する」が現実的です(リペイントとは)。 |
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ピンバー | ヒゲが極端に長く実体が小さい足。Pinocchio Bar(嘘つきの鼻)が語源とされます |
| スパイク | 一方向に突っ込んだ直後の、長いヒゲをともなう折り返し |
| 包み足/エンガルフィング | 前の足の高値と安値を、逆の色の足が包んだ形 |
| はらみ足/インサイドバー | 前の足の値幅の内側に収まった足 |
| アウトサイドバー | 前の足の高値も安値も超えた足。包み足と違い前の足の色を問わない |
| スラスト | インサイドバーの高安を、次の足が終値で抜くこと |
| だまし | 抜けたように見せてすぐ戻る動き。ヒゲだけの抜けに多い |
| ストップ狩り | 損切り注文が集まっている値段まで一度動いて、そこから戻る動き |
| 確定足/確定前 | 足が閉じたもの/まだ出来つつあるもの |
自動で見つけるには
ここまでの5種類(ピンバー/スパイク/リバーサル/アウトサイドバー/インサイドバー)をMT4のチャート上で自動的に見つけて、矢印と名前で表示する無料インジケーターを配布しています。
上位足で判定して下位足のチャートに重ねる、かたちごとにボタンでON/OFFする、アラート・メール・スマホ通知で知らせる、といったことができます。口座認証はありません。
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