為替介入の1回で、ドル円は
約4円下がりました(中央値)
2026年は4月末から5月にかけて過去最大の約11.7兆円、7月末には日米の協調介入がありました。9月に入ってもドル円は154円前後で、介入への警戒が続いています。では、介入が入ると、何分で何円動くのか。財務省が公表した介入日を、TeamREIがドル円のティックで1分ごとに調べました。
先に結論
- 介入1回の下げ幅は、中央値で約4.1円。いちばん大きかったのは2022年10月21日の5.44円です。
- 速い回は3〜4分で1円下落しました。一方で、1時間近くかけてじわじわ下げた回もあります。
- スプレッドは、ふだんの約17倍に開きました。2022年は30pipsを超えた回があります。
- 1日後は12回中11回が介入前より下でしたが、1か月後は8回が直前の高値から±3円以内に戻っていました。
介入12回の値動き
介入の日は、財務省「外国為替平衡操作の実施状況」で公表された日付です。2026年7月末の2回は、日ごとの内訳がまだ公表されていないため(7月30日〜8月28日の合計は15兆3,993億円)、報道で伝えられた日を参考として並べています。

| 介入の日 | 下げ始め | 高値→安値 | 最大スプレッド |
|---|---|---|---|
| 2022/9/22 | 16:38 | 145.90→140.69 | 16.2pips |
| 2022/10/21 | 23:36 | 151.64→146.21 | 31.6pips |
| 2022/10/24 | 8:33 | 149.71→145.51 | 31.3pips |
| 2024/4/29 | 15:31 | 157.24→154.53 | 20.9pips |
| 2024/5/1(日本時間5/2) | 5:09 | 157.59→153.00 | 13.7pips |
| 2024/7/11 | 21:25 | 161.62→157.42 | 21.7pips |
| 2024/7/12 | 8:16 | 159.45→157.75 | 12.2pips |
| 2026/4/30 | 18:25 | 159.52→155.56 | 10.6pips |
| 2026/5/4 | 12:12 | 157.25→155.71 | 13.3pips |
| 2026/5/6 | 12:31 | 157.89→155.03 | 11.5pips |
| 2026/7/30(報道) | 22:03 | 162.96→157.97 | 10.2pips |
| 2026/7/31(報道) | 17:13 | 160.51→158.55 | 8.7pips |
日本時間。その日の中で10分間の下げがいちばん大きかった場面を介入の場面とし、直前60分の高値から3時間以内の安値までを測っています。ふだんのスプレッドは0.6〜1.6pipsでした。
分かることは3つです。
1つ目は、時間帯を選ばないことです。日本の昼、ロンドンの時間、ニューヨークの夜、そして2024年5月は日本時間の朝5時でした。「東京時間だけ気をつければいい」は通用しません。
2つ目は、下げ方に2種類あることです。2022年10月や2024年5月のように3〜4分で1円下げた回と、2026年4月30日のように1時間ほどかけて下げた回があります。
3つ目は、2026年はスプレッドの開き方が小さいことです。2022年は30pipsを超えた回がありましたが、2026年は8.7〜13.3pipsでした。それでも、ふだんの10倍以上です。
1日の値幅は、もっと大きいことがある
2024年4月29日は、午前に160.21円をつけてから二段で下げ、その日の安値は154.53円(約5.7円)でした。2026年4月30日も、その日の高値160.73円から155.56円まで下げています。上の表は「いちばん大きな1回の下げ」だけを測っています。
その後、どこまで戻ったか

介入の1日後は、12回中11回が介入前の高値より下にありました。ところが1か月後に見ると、12回中8回は、直前の高値から±3円以内まで戻っていました。上に戻り切った回も3回あります。
大きく下げたままだったのは、2022年10月の2回と、2024年7月の2回です。この時期は、米国の物価の伸びが鈍って米国の金利が下がると見られたり、日銀が利上げしたりと、介入とは別の理由が重なっていました。
「介入が入ったら円高が続く」とは限りません
データを見る限り、介入だけで流れが変わった例は多くありません。介入直後の急落を追いかけて売ると、数日〜数週間で戻されることがある、ということです。
介入に備えて、やっておくこと
損切りは「滑る」前提で置く
数分で数円動く場面では、逆指値の損切りでも指定した値段で約定しないことがあります。スプレッドも10倍以上に開きます。買いのポジションを持っているなら、想定より1円以上悪く約定することもあると考えて、ロットを決めてください。
レバレッジを下げておく
介入の水準に近づいていると言われる時期は、資金に対してポジションを小さくするのが、いちばん確実な備えです。4円の下げで口座がどうなるかを、先に計算しておきます。
損失の上限が決まっている商品を使う
急な値動きの中でも、最初に払った金額以上は失わない取引の方法があります。FXのノックアウトオプションは、購入したときに損失の上限が決まります。
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データについて
・介入の日:財務省「外国為替平衡操作の実施状況(日次ベース)」の2022年9月22日、10月21日、10月24日、2024年4月29日、5月1日、7月11日、7月12日、2026年4月30日、5月4日、5月6日。2026年7月30日・31日は同「月次ベース」(7月30日〜8月28日)の日次内訳が未公表のため、報道によります。2026年4〜5月の合計額は同資料の11兆7,349億円です。
・値動き:Dukascopy のドル円ティックをTeamREIが1分ごとに集計(仲値)。1日後・1週間後・1か月後は1時間足の終値です。
過去のデータの集計で、将来の介入の時期や値動きを示すものではありません。情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。