雇用統計の発表の1分間、
スプレッドはふだんの約7倍に開きます
米国の雇用統計は、FXでいちばん値動きが大きくなる発表の1つです。このとき「スプレッドが広がる」とよく言われますが、何倍になって、いつから広がり、何分で戻るのかを回数を重ねて数えたデータは多くありません。TeamREIがドル円のティックで、2015年からの141回分を1分ごとに集計しました。
先に結論
- 発表の1分間の最大スプレッドは、中央値で6.9pips。雇用統計の無い金曜の同じ時刻(1.0pips)の約7倍です。
- 広がり始めるのは発表の1分前からです。1分前の時点で3.3pipsまで開いていました。
- 発表から2〜3分で、ふだんの2倍以内まで戻ります。
- 広がり方は年によって大きく違い、2020〜2021年は2.6pips、2024年は15.7pipsでした。
発表の前後、1分ごとのスプレッド

発表の時刻は、米東部時間の8:30です。日本時間では夏時間が21:30、冬時間が22:30です。
| 時間 | 雇用統計の日 | ほかの金曜 | 何倍 |
|---|---|---|---|
| 発表の3分前 | 0.8pips | 0.6pips | 約1.3倍 |
| 発表の1分前 | 3.3pips | 0.9pips | 約3.7倍 |
| 発表の1分間 | 6.9pips | 1.0pips | 約6.9倍 |
| 発表の1分後 | 1.3pips | 0.7pips | 約1.9倍 |
| 発表の3分後 | 1.0pips | 0.6pips | 約1.7倍 |
各回の「その1分間でいちばん広かったスプレッド」を集め、その中央値を出しています。
ポイントは、発表の瞬間より前、1分前からすでに広がっていることです。発表の直前は、値段を出す側が急な値動きに備えて気配を広げるためと考えられます。反対に、発表の2〜3分後にはかなり落ち着きます。
値動きは、ふだんの約10倍
発表の1分間の値幅(仲値の高値と安値の差)は、中央値で35.8pipsでした。ほかの金曜の同じ時刻は3.5pipsです。10回に1回は88.7pips以上動いています。
年によって、広がり方は大きく違う

発表の1分間の最大スプレッドを年ごとに見ると、2020年と2021年は2.6pipsだったのに対し、2024年は15.7pips、2025年は13.2pipsでした。「前はこれくらいだった」という感覚は、そのまま使えないということです。
とくに大きく開いた回は、2016年6月(33.5pips)、2025年1月(33.4pips)、2023年2月(32.7pips)でした。
データはスイスのDukascopyが配信するティックで、国内業者の画面に出るスプレッドとは水準が違います。国内の業者も「原則固定」の例外として、経済指標の発表時にはスプレッドが広がることがあると公表しています。
あわせて読む スプレッドが広がる時間帯はいつ?ドル円11年分の実データ 発表の無い日にスプレッドが最も広がるのは、日本時間の朝6時・7時です。雇用統計の日に気をつけること
発表の1分前〜3分後は、成行の注文を出さない
スプレッドが開いている間に成行で注文すると、その分だけ最初から不利な値段で建ちます。発表をまたいで取引するなら、1分前より前に建てるか、3分ほど待ってからにします。
近い損切りは、スプレッドだけで刺さる
買いの損切りは売値(Bid)で判定されます。スプレッドが7pips開くと、相場の真ん中がほとんど動いていなくても、売値だけが数pips下がって損切りが約定することがあります。発表の時間に数pipsの損切りを置いたままにしないでください。
EAは「指標の前後は建てない」設定を確かめる
スキャルピング型のEAは、この数分間で建てると不利になります。EAにニュースの時間やスプレッドの上限で取引を止める設定があれば使います。MT4の時刻はサーバー時間なので、日本時間の21:30・22:30がサーバーの何時かも確かめてください。
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データについて
・Dukascopy のドル円ティック(2015年1月〜2026年9月)をTeamREIが1分ごとに集計。雇用統計の日は、各月12日までの金曜(7月は木曜も)のうち、米東部時間8:30からの1分間の値幅が最大の日としています(141回)。比べる相手は同じ時刻の第3・第4金曜(278回)です。
過去のデータの集計で、将来も同じになることを保証するものではありません。情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。