MT4のEAは、ソースが無いと
MT5には移せません
国内のMT4は終わりに向かっています。JFXは2026年8月19日にMT4を終了し、OANDA証券は9月25日で新規注文を止め、11月27日に提供を終えます。手持ちのEAやインジケーターは、そのままではMT5で動きません。TeamREIが自社ツールを移したときの実測をもとに、移し方と、つまずく所をまとめました。
先に結論
- .ex4だけでは移せません。必要なのは元のソース(.mq4)です。逆コンパイルは規約にも触れます。
- 自社の変換器で177本を試したところ、MT5でコンパイルが通ったのは98%(173本)。ただし同じ177本を見ながら直した数字で、初めて見るコードではこれより下がります。
- 「コンパイルが通った」と「同じ動きをする」は別です。EA 68本のうち62本には、手直しが要る警告が残りました。
- 値の突き合わせでは83項目すべて一致、注文の動きも36項目すべて一致しました。ここまで確かめて初めて「移せた」と言えます。
- それでも成績はぴったり同じにはなりません。同じ業者でもMT4とMT5で価格データが違うためです。
最初に確かめる3つのこと
①元のソース(.mq4)があるか
MT5で動かすには、MQL4で書かれた元のソースが要ります。.ex4(コンパイル済みのファイル)だけでは作り直せません。買ったツールなら、販売元にMT5版の予定を聞くのが先です。
②作り直してよい立場か
他の人が販売・配布しているツールを、作者の許可なく作り直すことはできません。自分で書いたもの、または作者から認められたものに限られます。
③移した先の口座が「両建てできる口座」か
MT5には、1つの通貨ペアに1つしかポジションを持てないネッティング口座と、両建てできるヘッジ口座があります。ナンピンや両建てを使うEAは、ネッティング口座では同じ形になりません。使う予定の業者の口座種別を先に確かめてください。
選び方は3つ
| 選び方 | 向いている人 | 手間・費用 |
|---|---|---|
| MT4が使える業者に移る | EAをそのまま動かし続けたい | 口座開設だけ |
| 自分でMT5版に書き直す | MQL4・MQL5が書ける | 1本あたり数時間〜 |
| 作り直しを頼む | ソースはあるが自分では書けない | 費用がかかる |
意外に見落とされがちですが、MT4は国内でもまだ使えます。EAを止めたくないだけなら、MT4が使える業者へ口座を移すのがいちばん早い解決です。
あわせて読む OANDAのMT4終了まとめ|移行先の選び方とEA・インジの引っ越し手順 MT4を続けられる国内業者と、チャート設定やテンプレートの移し方をまとめています。自分で書き直すとき、どこが変わるか

いちばん大きいのは注文まわりです。MT4は「注文1つ=チケット番号1つ」でしたが、MT5では注文・ポジション・取引履歴が別々に管理されます。OrderSendの書き方も変わり、ナンピンや部分決済を使うEAほど書き直す量が増えます。
見落としやすいのが時間足の数え方です。MT4は分数(1時間足=60)ですが、MT5は別の番号を使います。MT4の書き方のまま「60×」のような計算をすると壊れます。TeamREIも自社のインジをMT5に移したときに、ここで1本つまずきました。
インジケーターではOnCalculateの戻り値が問題になります。MT4では次回に渡されるだけの値ですが、MT5では「計算済みの本数」とみなされます。0を返す書き方のままだと、他のEAから値を読めません。MetaQuotesの見本にもこの書き方が残っています。
そのほか、MT5にはEMPTYという定数やIndicatorGetIntegerがありません。MT4の履歴ファイル(.hst)を直接書くツールは、MT5に同じ仕組みが無いため作り直せないことがあります。
自動変換はどこまでできるか(177本の実測)

TeamREIでは、MQL4をMQL5に機械的に書き換える変換器を作って試しています。自社75本・MetaQuotesの見本23本・MT4に残っていた古いコード72本の計177本で、コンパイルが通ったのは173本(98%)でした。最初は43%だったので、直すほど上がります。
ただしこの98%は、同じ177本を見ながら直した数字です。初めて見るコードでは下がります。自社のコードは新しい書き方なので全部通りましたが、古いコードは69/72でした。
通らなかった4本は、いずれもルールでは直せない種類です。MT4の履歴ファイルを直接書くもの、DLLの宣言や画像リソースを使うもの、別の関数の中で作った変数を使っている古い書き方でした。
「コンパイルが通った」で終わらせない
移し終えたあとに必要なのは、MT4版と同じ値・同じ売買になっているかの突き合わせです。TeamREIでは次のように確かめました。
| 確かめたこと | やり方 | 結果 |
|---|---|---|
| インジの値 | MT5の組み込み指標と、変換したものを同じ足で比較(直近2000本) | 83項目すべて一致 |
| 注文の動き | 成行・指値の設置と取消・両建て・部分決済・履歴・エラー番号をテスターで実行 | 36項目すべて一致 |
| 自社ツール3本 | MT4版とMT5版を同じ期間で動かし、売買の時刻と向きを突き合わせ | 14/14・14/14ほか一致 |
この突き合わせで、実際に2つの不具合が見つかりました。1つは前述のOnCalculateの戻り値、もう1つは部分決済したときの手数料です。建てたときの手数料を決済のたびに丸ごと足していたため、数字がずれていました。どちらもコンパイルは通っていて、動かして数字を比べるまで気づけません。
突き合わせは「同じ値段の足どうし」で比べる
同じ業者でも、MT4とMT5で配信される足は同じではありません。TeamREIが実際に比べたところ、同じ業者・同じ通貨ペア・同じ時間足でも、4本の値がすべて一致した足は43%だけでした。そのまま重ねると「一致しない」ばかりになるので、値段が同じ足を選んで比べます。ここを知らないと、正しく移せていても失敗したように見えます。
成績がぴったり同じにならない理由
データが違えば約定の値段も変わります。加えて、業者によって手数料の取り方も違います。移し終えたEAは「同じ判断をするか」で見て、損益の一致は求めないほうが健全です。
あわせて読む バックテストで勝てるのに本番で負ける理由|成績が4割消えた実例 データと約定の数え方だけで、成績がどれだけ変わるかをまとめています。自分で書き直すか、頼むかの分かれ目
目安は次のとおりです。インジケーター(線や矢印を描くだけ)は比較的やさしく、注文を出すEAは手間が一段上がります。
| こういう作りなら | 難しさ |
|---|---|
| 線・矢印・パネルを描くだけのインジ | やさしい |
| 成行と損切り・利確だけのEA | ふつう |
| ナンピン・両建て・部分決済を使うEA | 難しい(口座の方式から要検討) |
| 他のインジをiCustomで読むEA | 読む側と読まれる側の両方を移す必要がある |
| DLL・MT4の履歴ファイルを使うもの | そのままでは移せないことがある |
TeamREIでは、この記事の手順そのままでMT4→MT5の引っ越しをお受けしています。MT5版に作り直すだけでなく、MT4版と同じ動きになるかを突き合わせた確認レポートを付けてお渡しします。お見積もりは無料です。
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この記事の実測について
・変換の成功率(177本・98%)、値の一致83項目、注文の一致36項目、自社ツール3本の突き合わせは、いずれもTeamREIが2026年9月にMT5(ビルド6193)とMT4の実機・ストラテジーテスターで確認したものです。
・MT4とMT5の足の違いは、同じ業者(Titan FX)の口座で同じ通貨ペア・同じ時間足を比べた実測です。
・MT4提供終了の日程は各社の公表資料(JFX 2026年8月19日、OANDA証券 2026年9月25日新規注文停止・11月27日提供終了)によります。
情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。