FOMCの本番は声明ではなく、
その30分後の会見でした
FOMC(米国の金融政策を決める会合)の声明は、日本時間の深夜に出ます。「何時に出て、どれくらい動くのか」を、TeamREIが2022年以降の38回について、ドル円のティックで1分ごとに数えました。いちばんはっきり出たのは、声明そのものより会見のほうが動くことです。
先に結論
- 声明の時刻は決まっています。日本時間で、米国が夏時間なら翌3:00、冬時間なら翌4:00ちょうどです(38回中28回が3:00、10回が4:00)。
- 声明の1分間の値幅は中央値で38.9pips。ふだんの同じ時間帯でいちばん動いた1分(5.8pips)の約6.7倍です。
- その1分の最大スプレッドは中央値で8.5pips(ふだん0.8pips)。いちばん開いた回は29.8pipsでした。
- 議長会見の1時間は中央値で77.7pips。声明からの30分(48.5pips)より大きく、38回中30回は会見のほうが大きく動きました。
- 30分後の向きは円安22回・円高16回とほぼ半々で、方向は読めません。
次のFOMCは10月27〜28日(声明は日本時間10月29日3:00)です
2026年の残りは10月27〜28日と12月8〜9日です。10月の回はまだ米国が夏時間なので声明は日本時間29日の3:00、12月の回は冬時間に入っているため日本時間10日の4:00になります。
声明は「3:00ちょうど」。日銀とはここが違う
FOMCの声明は、米国東部時間の14:00ちょうどに公表されます。日本時間にすると、米国が夏時間の間は翌3:00、冬時間の間は翌4:00です。日付が変わったあとなので、カレンダー上の日付は会合の翌日になります。
| 期間 | 声明の時刻(日本時間) | 回数 |
|---|---|---|
| 米国が夏時間(3月中旬〜11月上旬) | 翌3:00 | 28回 |
| 米国が冬時間(11月上旬〜3月中旬) | 翌4:00 | 10回 |
時刻が決まっているところが、日銀の金融政策決定会合との大きな違いです。日銀は終わりしだいの公表なので、11:25から13:00までばらつきます。FOMCは分かっているので、その1分に持ち越すかどうかを自分で決められます。
実際、声明の前後3時間の中で「1分間の値幅がいちばん大きかった分」を調べると、38回中29回が声明の分ちょうどでした。残りの9回は、そのあとの会見の時間帯(声明の33〜44分後)に、もっと大きい1分がありました。
あわせて読む 2026年の冬時間はいつから?FX・MT4・経済指標で1時間ずれる所まとめ 米国の冬時間は11月1日から。FOMCの声明も、この日を境に3:00から4:00へ動きます。声明の1分で、ふだんの約6.7倍動く

比べる相手は、1週前と1週後の同じ時刻です。声明の1分間の値幅は中央値で38.9pips、そこからの30分では48.5pips動きました。ふだんは、同じ時間帯でいちばん動いた1分でも5.8pipsです。
いちばん大きかったのは、2024年9月18日(0.5%の利下げ)の1分間117pipsと、2023年12月13日の30分間141pipsでした。
スプレッドの開き方は、日銀の発表より大きくなります。声明の1分間の最大スプレッドは中央値で8.5pips(ふだん0.8pips)、いちばん開いた2024年9月18日は29.8pipsでした。深夜で参加者が少ないところに注文が集まるため、同じ値動きでも滑りやすい時間帯です。
| 場面 | 値幅(中央値) | ふだんの同じ時間帯 |
|---|---|---|
| 声明の1分 | 38.9pips | 5.8pips |
| 声明からの30分 | 48.5pips | 10.1pips |
| 会見の1時間 | 77.7pips | 14.8pips |
| 声明の1分の最大スプレッド | 8.5pips | 0.8pips |
いずれも中央値。ふだんの日は、会合の1週前・1週後の同じ時刻です。
本番は、声明の30分後から始まる会見

声明の30分後から、議長の記者会見が始まります。ここがFOMCでいちばん動く時間です。会見の1時間の値幅は中央値で77.7pips。声明からの30分(48.5pips)より大きく、38回のうち30回で会見のほうが大きく動きました。
いちばん大きかったのは2022年11月2日の会見で、1時間に230pips動いています。声明は予想どおりでも、会見での言い方ひとつで向きが変わるためです。
声明の数字だけ見て「終わった」と判断しない
声明を見て建てたあと、30分後の会見で反対方向に振られる、という形がくり返し起きています。FOMCの日に持ち越すなら、会見が終わる時刻(夏なら日本時間4:30、冬なら5:30)までを一区切りとして考えてください。
30分後の向きは円安22回・円高16回で、ほぼ半々です。利上げ・利下げの中身と値動きの向きは、事前の予想との差で決まるため、「利下げだから円高」のような決めつけは当たりません。
あわせて読む 日銀会合の発表でドル円はどう動く?2022年以降の38回を1分ごとに実測 日銀は発表の時刻が決まっていません。11時台か12時台に出て、1分でふだんの約4.6倍動きます。FOMCの夜に気をつけること
夜のうちに損切りの幅を見直す
声明の1分で40pips近く動くのがふつうです。昼間の感覚で置いた10pips程度の損切りは、方向が合っていても刺さります。持ち越すなら幅を広げ、その分ロットを落とします。
指標の瞬間は、スプレッドも数える
声明の1分の最大スプレッドは中央値8.5pips。往復で17pips分の不利を先に背負うことになります。値動きが読めても、コストで負けることがあるということです。
あわせて読む 雇用統計でスプレッドは何倍になる?ドル円141回分を1分ごとに実測 同じ「指標の瞬間」でも、雇用統計とFOMCではスプレッドの開き方が違います。損失の上限を先に決めておく
深夜の急な値動きでは、逆指値の注文でも指定した値段より不利に約定することがあります。値動きの大きい時間に取引するなら、最初から損失の上限が決まっている商品を使うのも1つの方法です。
この記事のあとに
「広告」はアフィリエイト広告です。「TeamREI」は当サイトのツール・ページです。
データについて
・会合の日程は米連邦準備制度理事会「FOMC Meeting calendars」。声明の公表は東部時間14:00、議長会見は14:30から(2022年1月〜2026年9月の38回)。
・Dukascopy のドル円ティックをTeamREIが1分ごとに集計。値幅は仲値(買値と売値の中間)で数え、スプレッドはその1分の最大値です。比べる相手は1週前・1週後(無ければ2週前・後)の同じ時刻です。
過去のデータの集計で、将来も同じになることを保証するものではありません。情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。