インジの矢印で自動売買する、
3つのやり方と落とし穴
「このインジの矢印どおりに、自動で売買してくれたらいいのに」という相談をよくいただきます。やり方は大きく3つあり、必要な知識と、元のインジとのずれやすさが違います。TeamREIが自社のツールを作るときに実機で踏んだ落とし穴もあわせてまとめました。
先に結論
- 方法は3つ。①ロジックを書き直す ②iCustomで値を読む ③EA化ツールを使うです。
- ①はずれませんが、作り直しの手間がいちばん大きいです。インジの計算を理解する必要があります。
- ②はMQL4が書ければできます。ただし設定の渡し方・確定足の扱い・リペイントでずれます。
- ③はプログラムを書かずに済みます。どこまで条件を作れるかはツール次第です。
- どの方法でも、矢印が出たあとの「ロット・損切り・やめる条件」を決めないと動かせません。
インジのサインでEAを動かす3つの方法

①インジのロジックをEAに書き直す
インジの計算そのものをEAの中に作り直す方法です。元のインジと完全に同じ形にでき、動作も速いのが利点です。反面、計算の中身が分からないインジ(ソースのない.ex4だけのもの)には使えません。
②iCustomでインジの値を読む
インジはそのまま置いておき、EAからiCustomという命令で値を読む方法です。.ex4だけでも読めます。MQL4が書ける人にはいちばん手軽ですが、落とし穴はここに集まっています。次の章で説明します。
③EA化ツールを使う
インジのファイル名と「どうなったら買うか」を画面で決めるだけで動かす方法です。プログラムを書けない場合はこれになります。条件の種類・決済の作り・リペイントの扱いは、ツールによってかなり差があります。
iCustomで読むときの落とし穴(実機での実測)

設定の渡し方ひとつで、1回19ミリ秒かかる
TeamREIが自社ツールの開発中に実測した例です。インジの設定の並びのうち文字の設定がある位置に数字を渡すと、MT4はその呼び出しのたびにインジを作り直します。実際のチャートで1回あたり約19ミリ秒かかりました。5本のインジを毎ティック読めば、それだけで動きが止まって見えます。
やっかいなのは、これがストラテジーテスターでは起きないことです。テストでは軽いのに、本番のチャートに入れた途端に重くなる、という形で出ます。
バッファ番号は、見た目では分からない
矢印が何番のデータ(バッファ)に入っているかはインジごとに違い、空のバッファや色番号だけのバッファも混ざります。MT4の「データウィンドウ」で値の出方を見るのが確実です。矢印は「出た足だけ値が入り、ほかの足は空」という入り方をします。
あとから消える矢印(リペイント)
足が動いている間だけ出て、確定すると消える矢印があります。これを読んだままテストすると、成績だけが良くなって、本番でだけ負けます。確定した足の値だけを使うのが基本です。
あわせて読む EAのバックテストで勝てるのに本番で負ける理由|成績が4割消えた実例 リペイントのほかにも、テストと本番が食い違う原因を6つまとめています。テスターは、日本語で書いた初期値を捨てる
MT4のストラテジーテスターは、日本語で書いた文字の設定を保存のときに空にします。「月,火,水」のような形で曜日を渡していると、テストのときだけ条件が外れます。TeamREIのツールでは、この件があってから曜日を文字ではなく7つのオン・オフで持つようにしました。
MT5に移すときは、時間足の数え方が変わる
MT4は時間足を分数(60・240)で持ちますが、MT5は別の番号で持ちます。MT4の書き方のまま移すと、1時間足の指定が壊れます。MT5版も作るなら、時間足まわりは必ず作り直して確かめるところです。
あわせて読む MT4とMT5の違い|MT4用のEAはMT5で動く? 時間足・指標・注文の数え方の違いをまとめています。矢印が出たあとに決めておくこと
サインをEAにするとき、実際に手が止まるのは「矢印の読み方」ではなく、その後の決めごとです。最低限、次の4つが要ります。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 何ロットで入るか | 固定0.1ロット/残高の1%が損切りに当たる量 |
| 損切りと利確 | 直近の高値・安値の外側/損切り幅の2倍で利確 |
| 反対の矢印が出たら | 決済してドテン/決済だけ/何もしない |
| 入らない時間・曜日 | 指標の前後、金曜の深夜、スプレッドが広い時間 |
同じ矢印でも、この4つで成績はまったく変わります。まずは手元のインジで、矢印の数と、間に合う損切り幅を数えるところから始めるのが確実です。
動かし続けるならVPSが要る
自動売買は、PCが起動していてMT4が動き続けていないと止まります。夜間や外出中も動かすなら、MT4を置いておけるVPSを使うのが一般的です。
TeamREIが作っているEA化ツール
TeamREIでは、ここまでの落とし穴をひととおり踏んだうえで、REI IndiPilotというEA化ツールを作っています(現在は販売準備中)。特徴は次の3つです。
- バッファ番号を自動で調べます。直近1,000本をさかのぼって、矢印・線・値・色番号・空を見分け、組み方の候補まで出します。
- チャートの設定をそのまま使えます。いつもどおりインジをチャートに入れて設定しておけば、その設定で売買します。
- リペイントを検出します。あとから消えた矢印を報告し、テストの成績が実際より良く見えるのを防ぎます。
インジは5本まで、条件は7種類×10個まで組み合わせられます。MT4版とMT5版があります。
この記事のあとに
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この記事の実測について
・iCustomの19ミリ秒、テスターが日本語の初期値を捨てる件、MT5の時間足の番号は、いずれもTeamREIがMT4・MT5の実機とストラテジーテスターで確認したものです。
・MT4・MT5はMetaQuotes社の製品です。インジケーターの仕様は作者によって異なります。
情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。自動売買の結果を保証するものではありません。