CRT(キャンドルレンジ理論)とは|上位足の範囲・片側だけの抜け・内側で閉じる形を図解でぜんぶ解説
FX・バイナリーの基礎
CRT(キャンドルレンジ理論)とは|上位足の範囲・片側だけの抜け・内側で閉じる形を図解でぜんぶ解説
CRT で使う「範囲」「片側だけの抜け」「内側で閉じる」を、どう決めるのか、なぜ意識されるとされるのか、どこで誤解されやすいのかまで、図つきで説明します。当サイトで11年分のデータを使って確かめた結果も書きます。
CRTとは
CRT(Candle Range Theory/キャンドルレンジ理論)は、ここ1〜2年で海外の個人トレーダーのあいだに広まった相場の見方です。ICT や SMC(スマートマネーコンセプト)の流れをくむ考え方で、YouTube や SNS では「CRT モデル」「CRT セットアップ」などの名前で紹介されています。
この3つがそろった足が CRT です。見るのは上位足(4時間足・日足など)の2本だけなので、決まりとしてはとても単純です。
CRTの決まり(弱気・強気)
範囲の高値だけを抜けて内側で閉じたものが弱気(売り側)の CRT、安値だけを割って内側で閉じたものが強気(買い側)の CRTです。
- 11本前の上位足。この足の高値と安値のあいだが「範囲」になる(真ん中が50%)
- 2次の足が範囲の高値だけを上に抜けた(安値は割っていない)。高値の上に置かれていた買いの損切りや、上抜けを狙った買いの注文が約定したと考える
- 3それでも足は範囲の内側で閉じた。これが弱気(売り側)の CRT。そのあとの足は、たまたま下へ動いているだけで、いつもこうなるわけではない
- 1範囲の安値だけを下に割った(高値は抜いていない)
- 2範囲の内側で閉じた。これが強気(買い側)の CRT。弱気の上下を逆にしたもの
| 弱気の CRT | 強気の CRT | |
|---|---|---|
| 範囲の高値 | 上に抜ける | 抜けない |
| 範囲の安値 | 割らない | 下に割る |
| 終値 | 範囲の内側(高値より下、安値より上) | |
| 刈ったとされる側 | 高値の上(買いの損切り) | 安値の下(売りの損切り) |
下位足で見るとどうなるか
CRT は上位足の形ですが、実際に見るのは下位足のチャートであることがほとんどです。下位足では、1本前の上位足の高値・安値・50%を、次の上位足の時間いっぱいに引いておき、その中で値段がどう動くかを見ます。
- 11本目の上位足が閉じたら、その高値・安値・50%を2本目の時間いっぱいに引いておく
- 22本目の途中で高値を上に抜けた。この時点ではまだ CRT ではない(抜けたまま閉じれば、ただの上抜け)
- 32本目の最後の値段が範囲の内側に戻っていた。上位足が閉じた時点で、はじめて CRT と決まる
大事なのは 2 の時点ではまだ何も決まっていないことです。高値を抜けた値段がそのまま上で閉じれば、それは CRT ではなくただの上抜けです。CRT かどうかは、上位足が閉じたときにはじめて決まります。
CRTにならない形
- 1CRT:高値だけ抜けて、範囲の内側で閉じた
- 2CRT ではない:高値を抜けて、そのまま外で閉じた。これはただの上抜け
- 3CRT ではない:高値も安値も抜けた(はらみの逆の、包む形)。どちらを刈ったとも言えない
- 4CRT ではない:どちらも抜けていない(はらみ足)
4つのうち CRT は1つだけです。とくに 2(抜けたまま閉じた)と 3(両側を抜けた)を CRT と取り違えやすいので注意してください。
なぜそこが意識されるとされるのか
上位足の高値・安値は、多くの人が見ている値段です。高値の少し上には、売っている人の損切り(買い戻し)や、上抜けを狙う買いの注文が集まりやすいと言われます。
CRT の考え方では、値段が高値を抜けてそれらの注文を約定させた(刈った)のに、上に進めず範囲の中へ戻ってきたのは、上へ進む力が足りなかったしるしだ、と読みます。SMC で言う流動性のスイープを、上位足のローソク足1本で見たものと言えます。
ここは「そう考える人が多い」という話です
注文が本当にそこに集まっているか、刈ったあとに反対へ動くかは、形だけでは分かりません。当サイトで確かめた結果は 下 に書きました。
よく言われる使い方
CRT を使う人の多くは、CRT の形だけで入らず、下位足で向きが変わった合図を待ってから考えます。
- 1上位足の2本目で、範囲の高値を上に抜けた(高値側の損切りが刈られたかもしれない場面)
- 2下位足で、抜けたあとの押し安値を割った(SMC の CHoCH など、下位足で向きが変わった合図)。CRT を使う人の多くは、ここまで待ってから考える
- 3目標の候補は範囲の50%や反対側。ただし、そこへ届くかどうかは別の話(下の「当サイトで確かめたこと」)
| 順番 | よく言われること |
|---|---|
| 1. 範囲を引く | 1本前の上位足の高値・安値・50% |
| 2. 片側の抜けを待つ | いまの上位足が、範囲の片側だけを抜ける |
| 3. 下位足の合図 | 抜けたあと、下位足で押し安値(戻り高値)を割る(SMC の CHoCH など) |
| 4. 出る | 損切りは抜けた先の高値(安値)の外。目標は範囲の50%や反対側 |
時間帯と組み合わせる人もいます(例:日足の範囲をロンドンやニューヨークの時間に抜けたときだけ見る)。ただし、どの組み合わせが良いかは人によってまちまちで、決まった答えはありません。
当サイトで確かめたこと
当サイトでは、主要な7つの通貨ペアの2015年から2026年までの1分足を使い、4時間足と日足の CRT をすべて拾って、そのあとの値動きを調べました(CRT が決まった足の終値で入ったとして、抜けた先の外を損切り、範囲の50%と反対側を目標に、どちらに先に届くか)。
CRT のあと、範囲の50%や反対側に「届きやすい」という偏りは見つかりませんでした。目標と損切りの距離から計算した「でたらめな値動きでも届く割合」と比べて差はほとんどなく、前半(2015〜2020年)と後半(2021〜2026年)でも同じでした。
つまり、CRT の形が出ただけで反対へ動く、とは言えません。CRT は、上位足の高値・安値・50%という意識されやすい値段を整理して見るための地図として使い、入るかどうかは下位足の合図やほかの根拠と合わせて決めるのが無難です。
※ 調べたのは「CRT の形だけ」です。時間帯・下位足の合図・ほかの根拠と組み合わせた場合については、この結果からは何とも言えません。
時間足の選び方
| 目的 | 範囲を取る足 | 見る足 |
|---|---|---|
| スイング | 週足・日足 | 4時間足・1時間足 |
| デイトレード | 日足・4時間足 | 15分足・5分足 |
| スキャルピング | 1時間足 | 5分足・1分足 |
範囲を取る足と見る足は、4〜16倍くらい離すのが一般的です。近すぎると範囲の中の動きが数本の足しかなく、離れすぎると範囲が広すぎて使いにくくなります。
日足・週足の区切りは業者のサーバー時間で決まります。業者によって日足の高値・安値が違うことがあるので、同じ業者のチャートで見てください。
ほかの手法とのつながり
メリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 決まりがはっきりしている。見るのは足2本で、人による差がない | 形だけでは、そのあとの向きに偏りは見つからなかった(当サイトの検証) |
| 上位足の高値・安値・50%という、意識されやすい値段を整理できる | 上位足が閉じるまで決まらない。4時間足なら最大4時間待つ |
| 損切りの位置が決めやすい(抜けた先の外) | 業者によって足の区切りが違い、形が変わることがある |
| SMC・MSNR と組み合わせやすい | 「CRT で勝てる」という紹介が多いが、裏づけになる検証は見当たらない |
よくある誤解
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| CRT(Candle Range Theory) | 上位足1本を範囲と見て、次の足の片側だけの抜けと内側での終わりを見る考え方 |
| 範囲(レンジ) | 1本前の上位足の高値から安値まで |
| 50% | 範囲の真ん中 |
| スイープ(sweep) | 高値・安値を少しだけ抜けて、そこにある注文を約定させること |
| 流動性(liquidity) | 高値・安値の外に集まっているとされる注文 |
| CHoCH | SMC の用語。直近の押し安値(戻り高値)を割って、流れが変わった合図 |
| CISD | 向きが変わった合図の一種。直前の同じ向きの足の並びの始値を、反対に抜けること |
| はらみ足 | 範囲のどちらも抜けなかった足 |
| 包み足(アウトサイドバー) | 範囲の両側を抜けた足 |
自動で描くには
1本前の上位足の範囲(高値・安値・50%)をMT4・MT5 のチャートに次の足の時間いっぱいに引き、いまの足が片側を抜けたか、CRT になったかをパネルと通知で知らせるインジケーターを用意しています。形を描く道具で、値動きの向きを予想するものではありません。
REI_CRT(1,480円・販売準備中)
上位足の範囲と CRT の形を自動で描くMT4/MT5インジケーター。片側の抜けの通知・CRT の印・パネルつき。根拠の重なりを数える REI Stack にも同梱します。
REI_CRT の説明を見るあわせて読みたい:SMCとは/MSNRとは/プライスアクションとは/リペイントとは/インジケーター一覧
きょうの相場を、数字で。
ドル円とユーロドルの主要ライン・予想高値安値・時間帯のクセを、平日の朝に図1枚にまとめています。2015年からのティックで数えた「相場のクセ」も。
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