MSNR(マレーシア式サポレジ)とは|A水準・V水準・Gap・まだ触れていない水準・QMを図解でぜんぶ解説
FX・バイナリーの基礎
- 1 MSNR(マレーシア式サポレジ)とは|A水準・V水準・Gap・まだ触れていない水準・QMを図解でぜんぶ解説
- 2 きょうの相場を、数字で。
MSNR(マレーシア式サポレジ)とは|A水準・V水準・Gap・まだ触れていない水準・QMを図解でぜんぶ解説
A水準・V水準・Gap水準・fresh(まだ触れていない)・QM・Storyline。MSNR で使う言葉を、どう引くのか、なぜそこが効くとされるのか、どこでだまされやすいのかまで、図つきで説明します。
MSNRとは
MSNR(Malaysian SnR/マレーシア式サポレジ)は、マレーシアのトレーダーのあいだで使われてきたサポート・レジスタンスの引き方です。ここ1〜2年、東南アジア・南アジア・アフリカの個人トレーダーを中心に YouTube や SNS で一気に広まり、海外では検索の伸びがいちばん大きい手法の一つになっています。
これに、形の読み方としての QM(クアジモド)と、上位足から流れを読む Storyline を加えたものが、MSNR と呼ばれる手法のひとそろいです。
ふつうのサポレジと何が違うのか
| ふつうのサポレジ | MSNR | |
|---|---|---|
| 線を引く値段 | 高値・安値(ヒゲの先)が多い | 終値(ラインチャートの山と谷) |
| 線の太さ | 帯(ゾーン)で見ることが多い | 1本の線で見る |
| 重く見る線 | 何度も反発した線 | まだ一度も触れられていない線 |
| 隙間 | 窓(週明けなど)だけ | 同じ色の足のあいだの小さな隙間(Gap)も線にする |
いちばん大きな違いは3行目です。ふつうは「何度も止められた線ほど強い」と考えますが、MSNR では逆に「一度触れられた線は、そこで待っていた注文が使われてしまったので弱くなる」と考えます。
なぜ終値の線で見るのか
ヒゲは、指標発表や薄い時間帯の一瞬の動きで簡単に伸びます。ヒゲの先に線を引くと、業者ごとの値段の差やたまたまの一瞬に振り回されます。
終値は「その時間が終わったときに、売り手と買い手が最終的に合意した値段」です。終値を結んだ線の山と谷は、ヒゲより業者の差を受けにくく、誰が引いても同じ場所になりやすい——これが MSNR が終値を使う理由です。
① A水準とV水準
A水準・V水準
A-LEVEL / V-LEVEL
- 1青い線が終値だけを結んだ線(ラインチャート)。この線の山の頂点が A水準
- 2ローソク足のヒゲの先(高値)ではなく、終値で線を引くのが MSNR の決まり
- 3ラインチャートの谷の底が V水準
どんな形か
ラインチャート(終値を結んだ線)の山が A水準、谷が V水準。形がアルファベットの A(山)と V(谷)に見えるのが名前の由来です。多くの場合、A水準は「陽線の次に陰線が来たところの陽線の終値」、V水準は「陰線の次に陽線が来たところの陰線の終値」になります。
A水準は、その時間の終わりに買い手が押し上げきれず、次の足で売り手に押し戻された値段です。値段がまたそこまで戻ると、前に売った人・前に買って損をしている人の注文がもう一度出やすい、とされます。V水準はその逆です。
どこで意味があるのか
上位足(4時間足・日足)の A・V水準、まだ触れられていない水準、流れと同じ向きの水準(下降の流れの中の A水準など)。
だましになりやすい場面
流れに逆らう向きの水準(強い上昇の途中の A水準は、そのまま抜かれやすい)。値動きが小さく、山と谷が細かく並んでいるとき(線が多すぎて意味が薄くなる)。
② Gap水準
Gap水準
GAP-LEVEL
- 11本目(陽線)の終値
- 22本目(同じ陽線)の始値が、1本目の終値より上から始まった。このあいだの隙間が Gap。線は1本目の終値に引く
- 3あとから値段が戻ってきて、Gap水準で止まった
どんな形か
同じ色の足が2本続き、1本目の終値と2本目の始値のあいだに隙間があるところ。線は1本目の終値に引きます。週明けの窓のような大きな隙間だけでなく、数 pips の小さな隙間も対象です。
隙間の値幅では売買がほとんど行われていません。値段がそこへ戻ってきたときに、取り残された注文が出やすい、とされます。SMC の FVG と考え方は近いですが、FVG が3本の足の重なりで見るのに対し、Gap は2本の終値と始値で見ます。
どこで意味があるのか
勢いのある動きの途中にできた Gap、上位足の Gap。
だましになりやすい場面
値動きの小さい時間帯の、誤差のような隙間。業者によって始値が違うので、業者によって Gap があったりなかったりすることもあります(最小の幅を決めて、小さすぎる隙間は数えないのが無難です)。
③ まだ触れていない水準(fresh)
fresh(まだ触れていない)と unfresh(触れた)
FRESH / UNFRESH
- 1A水準ができたところ。まだ一度も触れられていない=新しい(fresh)水準。実線で描く
- 2あとの足のヒゲが届いた。これで「触れた(unfresh)」水準になり、点線に変わる。MSNR では新しい水準のほうが重く見られる
- 3実体で突き抜けられたら、その水準は「また新しい」に戻る(突き抜けたあとに初めて戻ってくるところが、また意識される)
どんな形か
水準ができてから、まだ一度もヒゲで触れられていない水準が fresh、一度でも触れられた水準が unfresh です。ただし、実体(始値と終値のあいだ)で突き抜けられたら、その水準は fresh に戻ります。
水準で待っていた注文は、一度触れられると約定して減ります。だから二度目は反応が弱くなる、というのが MSNR の考え方です。実体で突き抜けたあとは、その水準の役割が入れ替わり(レジスタンスがサポートに)、突き抜けたあとに初めて戻ってくるところが、また意識されます。
どこで意味があるのか
fresh の水準で、はじめて値段が届いたとき。とくに上位足の fresh の水準。
だましになりやすい場面
fresh だから必ず止まる、ではありません。流れの強い方向へは、fresh の水準もそのまま抜けていきます。
④ QM(クアジモド)
QM(クアジモド)
QUASIMODO / QML(QM の水準)
- 1最初の高値(H)。これが左の肩になる
- 2いったん安値(L)をつけたあと、H より高い高値(HH)まで上がった=上昇の最後のひと伸び
- 3そこから L より低い安値(LL)まで下げた。高→安→より高い高→より低い安の並びがそろった
- 4戻ってきた値段が左の肩(QM の水準)の近くで止まる。ここが売りの候補の場所。買いは上下が逆
どんな形か
売りの QM は、高値(H)→ 安値(L)→ H より高い高値(HH)→ L より低い安値(LL)の並びです。最初の高値 H が「左の肩」で、その水準が QM の水準(QML)になります。買いは上下が逆です。
HH で上昇の最後のひと伸びが起き(高値の上の損切りを刈る)、そのあと L を割って流れが変わった形です。戻ってきたときに左の肩で売りが出やすい、とされます。形としてはヘッドアンドショルダー(三尊)に近く、SMC の「スイープ → CHoCH」と同じ場面を別の言い方で表したものです。
どこで意味があるのか
上位足の QM、fresh の QM 水準、戻りが浅すぎず深すぎない(左の肩まで戻ってきた)とき。
だましになりやすい場面
LL が浅く、流れが変わりきっていないとき。左の肩を実体で大きく抜けて戻らないとき(形が崩れた)。
⑤ Storyline(上位足の流れ)
MSNR では、上位足(日足・4時間足など)で流れを読み、下位足でその流れに沿った水準を待ちます。これを Storyline と呼びます。
ただし Storyline は、どの山と谷を大事と見るか、どの水準をいま意識されていると見るかなど、人によって読み方がかなり違う部分です。このページでは、決め方がはっきりしている「上位足のラインチャートの山と谷が切り上がっているか、切り下がっているか」を流れの目安として扱います。
組み立て方の一例
あくまで一例です。これで勝てるという保証はありません。
- 1上位足の流れは下降。その中で戻り高値の終値にできた、まだ触れていない A水準を待つ場所にする
- 2値段が戻ってきて、A水準に上ヒゲで触れて下で閉じた。ここで売りを考える
- 3目標は下にある次のまだ触れていない V水準。損切りは A水準の少し上
| 順番 | 見ること |
|---|---|
| 1. 流れ | 上位足の山と谷が切り上がっているか、切り下がっているか |
| 2. 待つ場所 | 流れと同じ向きの、まだ触れていない水準(下降なら上の A水準・Gap水準・売りの QM) |
| 3. 合図 | その水準にヒゲで触れて、元の側で閉じた足(ピンバーや包み足) |
| 4. 出る | 損切りは水準の外側。目標は反対側にある次のまだ触れていない水準 |
やらないほうがいいこと
① 水準に届く前に指値で待ち、流れに逆らって入る ② 一度触れた水準で何度も入る ③ 線を引きすぎて、どこでも「水準がある」状態にする ④ 損切りを置かない
時間足の選び方
| 目的 | 流れを見る足 | 水準を見る足 |
|---|---|---|
| スイング | 週足・日足 | 日足・4時間足 |
| デイトレード | 日足・4時間足 | 1時間足・15分足 |
| スキャルピング | 1時間足 | 15分足・5分足 |
短い足ほど水準の数が増え、1本ずつの重みは軽くなります。上位足の水準を下位足のチャートに重ねて見るのが基本です。
ほかの手法とのつながり
当サイトで確かめたこと
当サイトでは、USDJPY・EURUSD・GBPUSD・AUDUSD・金(XAUUSD)の2010年から2026年までの1分足を使い、1時間足・4時間足の A水準・V水準・Gap水準・QM に値段が届いた場面をすべて拾って、そのあとの値動きを調べました(水準で反応した足の終値で入ったとして、損切りと利確のどちらに先に届くか。売買の値段は1分ごとの実際のスプレッド込み)。
水準で反応したあと、水準に跳ね返される側へ動きやすいという偏りは見つかりませんでした。水準の値段だけを少しずつずらした「でたらめな線」と比べても差がつきません。また、「まだ触れていない水準(fresh)のほうが効く」も、銘柄をそろえると差が消えました(1つの通貨ペアだけを見ると良く見えることがありますが、5つ並べると打ち消し合います)。
つまり、水準そのものに、次の値動きを当てる力は見つかりませんでした。MSNR の水準は「多くの人が見ている値段を整理して、見る場所を絞るための地図」として使い、入るかどうかは合図やほかの根拠と合わせて決めるのが無難です。
※ 調べたのは「水準に触れて反応した」という形だけです。時間帯・下位足の合図・ほかの根拠と組み合わせた場合については、この結果からは何とも言えません。同じ調べ方で CRT も測り、そちらでも偏りは見つかりませんでした。
メリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 線を引く場所が決まっている(終値の山と谷)。人による差が小さい | 線の数が多くなりやすい。全部を同じ重さで見ると、どこでも水準がある状態になる |
| fresh/unfresh で、線の重みを区別できる | fresh でも抜けるときは抜ける。流れに逆らう水準は弱い |
| 損切りの位置が決めやすい(線の外側) | Storyline は裁量が大きい。上位足の読み方で結論が変わる |
| SMC・プライスアクションと組み合わせやすい | 当サイトで測ったところ、水準そのものに偏りは見つからなかった(上の章) |
よくある誤解
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| MSNR/Malaysian SnR | マレーシア式のサポート・レジスタンス |
| ラインチャート | 終値だけを結んだ線のチャート |
| A水準(A-level) | ラインチャートの山 |
| V水準(V-level) | ラインチャートの谷 |
| Gap水準 | 同じ色の足が続いたときの、終値と次の始値の隙間 |
| fresh | まだ一度もヒゲで触れられていない水準 |
| unfresh | 一度でもヒゲで触れられた水準 |
| QM(Quasimodo) | 高→安→より高い高→より低い安(売り)の形。左の肩が水準 |
| QML | QM の左の肩の水準 |
| Storyline | 上位足から流れを読むこと |
| Engulfing(包み足) | 水準で出ると合図として使われる形 |
| Miss | 水準に届かずに反転したこと(その水準は fresh のまま) |
自動で引くには
A水準・V水準・Gap水準・QM をMT4・MT5 のチャートに自動で引き、まだ触れていない水準を実線、触れた水準を点線で描き分けるインジケーターを用意しています。上位足の流れ(山と谷の並び)もパネルに出します。
REI_MSNR(1,480円・販売準備中)
A・V・Gap・QM の水準を終値で自動で引くMT4/MT5インジケーター。fresh と触れた水準の描き分け・上位足判定・通知つき。根拠の重なりを数える REI Stack にも同梱します。
REI_MSNR の説明を見るあわせて読みたい:SMCとは/CRTとは/プライスアクションとは/ハーモニックパターンとは/リペイントとは/インジケーター一覧
きょうの相場を、数字で。
ドル円とユーロドルの主要ライン・予想高値安値・時間帯のクセを、平日の朝に図1枚にまとめています。2015年からのティックで数えた「相場のクセ」も。
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