公式APIの
実測でわかった仕様
theoption(ザオプション)は、自動売買用のAPIを公式に提供しています。公式のよくあるご質問でも、自動売買ツールを使う際は同社提供のAPIを使うこととされています(この話は別の記事にまとめました)。
ここでは、当方が2026年10月にデモ環境で実際に接続して測った結果を中心に書きます。公開されている資料に書かれていない点、または書かれている内容と違った点が主になります。
ひとことで言うと
- 注文・残高はHTTPS、価格や契約の配信はWebSocketという作りです。
- WebSocketは4本まで。ただし1本に複数の購読を相乗りできるので、実際は1本で足ります。
- 注文の条件(ストライク)は、型や倍率とは別の場所に入っています。ここを取り違えると必ず外れます。
- 判定のしかたが2種類あります。「15分」と書かれていても15分後とは限りません。
- リクエスト制限の数値は公開されていません。「1秒あたり何回まで」は誰にも分かりません。
APIで何ができるか
利用規約のAPIの条では、取引の実行と市場データへのアクセスを目的とした限定ライセンスが与えられています。実際にできることも、おおむねこの2つです。
| できること | 経路 | 備考 |
|---|---|---|
| 注文を出す/残高を見る | HTTPS | WebSocketの本数の枠とは別です |
| いま出ている契約の一覧を受け取る | WebSocket | 契約名と時刻だけが届きます |
| 契約ごとの条件・倍率を受け取る | WebSocket | 契約を指定して購読します |
| 自分の取引の状態を受け取る | WebSocket | 約定・判定・途中決済が流れます |
始め方の流れ
公式のヘルプセンターに「自動売買用APIの始め方」の案内があります。おおまかには次の3段階です。
- 取引画面でAPIキーを発行する。本番口座とお試し口座(デモ)でキーは別です。
- お試し口座で接続を確かめる。まずここで一通り動かします。
- 自分のプログラム、または対応したソフトにキーを設定する。
APIキーは口座の鍵です
キーが他人に渡ると、その人がそのまま注文を出せます。画面の写真を撮ってそのまま人に見せる、設定ファイルごとどこかに上げる、といった扱いは避けてください。
公開資料と違った点
ここが、実際に接続しないと分からない部分です。
商品名が資料と違う
資料の表では3つの商品名が並んでいますが、実際に流れてくる契約名はそれと一致しません。名前を推測して組み立てると必ず外れるので、流れてきた契約名をそのまま使う作りにしておく必要があります。
注文の条件は、型や倍率とは別の場所にある
契約のデータは2つに分かれています。型(HIGH側かLOW側か)と払い出し倍率が入っている側と、実際の条件(ストライク)が入っている側です。倍率の側に条件が入っていると思い込むと、何も取れません。満期によっては入り方が変わる形も見たので、両方を見る作りにしておくのが安全です。
「指値」は価格到達を待つ注文ではない
注文の種類に指値にあたる指定がありますが、ふるまいは「滑り止め」でした。任意の価格を指定すると「レートが動いた」として拒否され、いま提示されている条件そのものを指定したときだけ約定します(当方の実測で304ミリ秒)。価格が来るまで待ってくれる注文ではないので、跳ねの頂点を狙う用途には使えません。合図から約定までのずれを防ぐ用途には有効です。
HTTPの200は成功を意味しない
応答が200でも、本文の状態を見ないと成否が分かりません。200で安心して次へ進む作りは危険です。
判定時間には2種類ある
実際の取引画面を見て気づいた点です。判定の欄は二列に分かれています。
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 判定時間 | 購入から決まった長さで判定 | 15秒・30秒・1分・3分・5分 |
| 判定時刻 | 決まった時刻に判定(枠) | 15分枠・1時間枠など |
「1時間」は「1時間後に判定」ではなく「1時間ごとの枠」です。枠の終わり間際に買えば、数秒で判定されます。自動で注文を出すなら、ここを取り違えると持ち時間が毎回変わります。画面に「15分」とだけ書くと必ず誤解されるので、当方では「15分枠(判定時刻)」と書き分けています。
商品と判定時間と銘柄の組み合わせ(2026年10月21日の実測)
| 判定 | 出ていた商品 | 銘柄数 |
|---|---|---|
| 15秒 | HIGH/LOW のみ | 11(暗号資産を含む) |
| 30秒・1分・3分・5分 | HIGH/LOW・スプレッド・タッチ | 11 |
| 15分枠・1時間枠 | HIGH/LOW・スプレッド | 16(FXのみ) |
| 22時間枠 | HIGH/LOW・スプレッド | 4(暗号資産のみ) |
| 23時間枠 | HIGH/LOW・スプレッド | 17(金を含む) |
タッチは30秒・1分・3分・5分の4つだけでした。また、取引そのものが日本時間の早朝(おおむね5時から8時すぎまで)止まります。137万行の配信記録を調べたところ、5時ちょうどで途切れ、8時5分に再開していました。
払い出し倍率(2026年10月20日の中央値)
| 判定 | HIGH/LOW | スプレッド | タッチ |
|---|---|---|---|
| 15秒 | 2.00(ドル円のみ2.05) | - | - |
| 30秒 | 1.95 | 2.30 | 2.00 |
| 1分 | 1.90 | 2.20 | 2.00 |
| 5分 | 1.90 | 2.00 | 2.00 |
| 15分枠 | 1.85 | - | - |
その時点に出ていた契約の中央値です。時刻・銘柄・口座によって動きます。倍率が2.00倍なら、損も得もしない勝率は50.0%です。
接続の上限
WebSocketは4本まで張れて、5本目で切られました(切断の理由はポリシー違反)。1本止めれば、また張れます。正確な上限は、この1回の観測からは確定できていません。
ただし1本の接続に、種類の違う購読を相乗りできます。契約の一覧・自分の取引・契約ごとの条件を、同じ1本で同時に購読できました。契約ごとの条件は、1本で20件まで同時に購読できています。稼働中にあとから購読を足すこともできました。
つまり接続を3本に分ける設計は、枠を使うだけで何の得もありません。注文と残高は別経路なので、WebSocketを4本埋めた状態でも注文は通りました(307ミリ秒)。
途中決済
判定を待たずに売却する機能があります。測ってみて分かったことが3つあります。
- 売却後の状態は「終了」ではなく「売却済み」という別の状態になります。
- 売却の応答にはいくらで売れたかが入りません。配信側の記録を見る必要があります。
- 買い戻しには手数料が乗っています。建てた直後に売ると、払い出し1.9倍の理屈上の価値(95%)に対して72%・84.9%でした(2件)。おおよそ10〜24%の差です。
%で損切りの線を引くと、引っかかります
売却額の振れはかなり荒く、1本の5分の玉で 84.9% →(60秒)→ 150.1% →(10秒)→ 117% と動きました。損切りを20%(線80%)にすると、建てた瞬間に売れます。
落とし穴
リクエスト制限の数値は公開されていない
規約には「厳格なレート制限および適正利用ポリシーの対象となる」とありますが、具体的な数値は書かれていません。応答のヘッダーにも、制限の残り回数にあたる項目はありませんでした。したがって「1秒あたり何回までなら安全」と言える根拠はありません。
1本の接続を使い回したまま同時に注文すると、応答が入れ替わる
並行して発注するなら、接続は処理の単位ごとに持ってください。使い回すと、どの注文の応答なのか分からなくなります。
同時に持てる本数の確認は、注文の前に済ませる
確認したあとで注文する作りにすると、2本が同時にすり抜けて上限を超えて建ちます。枠は注文の前に押さえ、失敗したら必ず戻す必要があります。
MT4から合図を受けるなら、時刻は秒に切り捨てられている
MT4が書き出す時刻には小数がありません。そのまま引くと、遅れが最大1秒ぶん大きく出ます(平均で0.5秒)。合図ファイルの更新時刻を使うと、ミリ秒まで取れます。
よくある質問
プログラムが書けなくても使えますか?
APIを直接叩くにはプログラムが要ります。書かずに使うなら、APIに対応したソフトを使う形になります。
デモ口座でも試せますか?
試せます。キーは本番口座とは別に発行します。まずデモで一通り動かすことを強くおすすめします。
MT4のインジケーターのサインを流せますか?
流せます。MT4のアラートを受け取って、APIへ注文を送る形です。当サイトでもその役割のソフトを配布しています(この下)。
この記事のあとに
「広告」はアフィリエイト広告です。「TeamREI」は当サイトのツール・ページです。
この記事について
・公式の文面は、2026年10月26日に当方が確認したものです。theoption よくあるご質問/theoption 利用規約/自動売買用APIの始め方(公式ヘルプセンター)。仕様や取扱いは予告なく変わることがあります。
・実測の数値は、TeamREIが2026年10月19日から21日にかけてデモ環境で測ったものです。当方の回線と機材での結果で、環境によって前後します。観測の回数が少ないものは、本文にその旨を書きました。
・この記事はアフィリエイト広告を含みません。theoption へのリンクは出典として張っており、報酬は発生しません。
・情報提供を目的としたもので、特定の取引や商品を勧めるものではありません。バイナリーオプションは損失が出る可能性のある取引です。