ドテン=いまの建玉を閉じて、
反対に建て直すこと
TeamREIのツールの説明書やパネルに出てくる言葉を、1つずつ解説しています。今回はドテン(途転)です。
ひとことで言うと
- いま持っている建玉を決済して、すぐ反対向きに新しく建てること。買いを決済して、同じ場面で売りを持つ、という動きです。
- 「決済」と「新規」の2つの注文です。スプレッドと手数料も2回分かかります。
- 両建て(買いと売りを同時に持つ)とは別物です。ドテンは前の建玉が残りません。
ドテンと両建ての違い
買いを持っているときに「下がりそうだ」と考えた場合、やり方は2つあります。
| ドテン | 両建て | |
|---|---|---|
| 買い建玉 | 決済して消える | そのまま残る |
| 売り建玉 | 新しく持つ | 新しく持つ |
| 必要な証拠金 | 1つ分 | 業者により2つ分 |
| 損益 | 買いの損益は確定する | どちらも動いたまま |
ドテンは「見立てが変わった」ときの乗り換え、両建ては「決めきれないので両方持つ」ときの形です。両建ては証拠金とスワップの負担が増えるうえ、結局どこかで片方を切ることになります。
同じ「ドテン」でも、口座の方式で動きが違う
ここが見落とされがちな点です。MT5には口座が2種類あり、同じ操作でも結果が変わります。
| 口座の方式 | 1つの通貨ペアで持てる建玉 | ドテンの動き |
|---|---|---|
| ヘッジ口座(MT4はすべてこれ) | いくつでも(買いと売りも同時に可) | 決済注文+新規注文の2回 |
| ネッティング口座 | 1つだけ | 反対売買を出すと相殺されて1つにまとまる |
ネッティング口座では、0.1ロットの買いを持っているときに0.2ロットの売りを出すと、その場で0.1ロットの売りに変わります(建玉が2つ並ぶのではありません)。国内のMT5にはネッティング口座を採用しているところがあるため、ナンピンや両建てを前提にしたEAは、そのままでは同じ動きになりません。
あわせて読む MT4のEAをMT5に移す方法|自動変換177本の実測 口座の方式の違いは、EAをMT5へ移すときに最初に確かめるところです。具体例:ドル円で0.1ロットの買いを持っているとき
150.00円で0.1ロット(1万通貨)買ったあと、149.80円まで下がり「これは下だ」と考えたとします。ドテンすると次のようになります。
| 手順 | 中身 | 損益 |
|---|---|---|
| ①買いを決済 | 149.80で売り決済(−20pips) | −2,000円が確定 |
| ②同じ場面で売りを新規 | 149.80で0.1ロットの売り | ここから数え直し |
| コスト | ①と②でスプレッドが2回(0.2pips×2なら約400円) | その分だけ不利 |
もし149.40まで下がれば、売りで+40pips(4,000円)。買いの負け分を取り返せる形です。逆に149.90へ戻れば、買いは損を確定したうえに売りも含み損になります。ドテンは「見立てが変わった」ときに損を1回で区切る手当てであって、取り返すための技ではありません。
メリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 負けを1回で区切れる(だらだら持ち続けない) | スプレッドと手数料が2回分かかる |
| 1つの操作で向きを入れ替えられる(押し間違いが減る) | 往復に負けると、2回続けて損切りになりやすい |
| 証拠金は1つ分で済む(両建てより軽い) | 感情で押すと「往復ビンタ」になりやすい |
効くのはこういう場面
- 入った理由が消えたとき。「上に抜けたから買った」のに、戻って下に抜け直した——このときは向きを入れ替える理由があります。
- あらかじめ決めておいたとき。「反対の矢印が出たらドテン」と先に決めておけば、その場の気分で押さずに済みます。
やめたほうがよい場面
- 損を取り返したいだけのとき。理由が「悔しい」なら、それは根拠ではありません。
- 値動きが荒い数分間。指標の直後は、往復してどちらも損切りになりやすい時間帯です。
ドテンで気をつけること
コストが2回分かかる
決済と新規で、スプレッド(と手数料)が2回かかります。細かく往復するほど、判断が当たっていても手元に残りません。
指標の瞬間は滑る
TeamREIの実測では、FOMCの声明が出る1分のスプレッドは中央値で8.5pips(ふだん0.8pips)ありました。動いた直後に慌ててドテンすると、開いたスプレッドを2回払うことになります。
あわせて読む FOMCでドル円は何分で何円動く?38回の実測 指標の瞬間にスプレッドがどこまで開くかを数えています。TeamREIのツールでは、どこに出てくるか
| ツール | 出てくる場所 |
|---|---|
| REI TradePanel | パネルの「ドテン」ボタン(決済と新規を続けて出します) |
| REI IndiPilot | 「反対の矢印が出たら」の選択肢に「決済してドテン」があります |
| REI_Replay | 練習のときに、同じ手順でドテンを試せます |
よくある質問
ドテンと「損切りしてから入り直す」は違うのですか?
中身は同じです。ツールの「ドテン」ボタンは、その2つを続けて出して、押し忘れと量の間違いを防ぐためのものです。
ドテンを繰り返すと、どうなりますか?
行ったり来たりの相場では、往復のたびにコストを払うことになります。1日に何度もドテンしているときは、入る条件そのものが合っていない合図と考えたほうが早いです。
EAでドテンさせても大丈夫ですか?
できますが、口座の方式を先に確かめてください。ネッティング口座では反対売買が相殺されるため、「決済してから新規」ではなく「量を差し引きして1つにする」動きになります。
両建てのほうが安全ではありませんか?
損益は止まりますが、止まるだけです。証拠金とスワップの負担が増え、結局どちらかを切る判断が後ろにずれます。迷ったら、いったん減らす(部分決済)ほうが分かりやすいです。
関連する用語:部分決済/トレール・建値決済/成行・指値・逆指値
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この記事について
・口座の方式による違いは、TeamREIがMT4・MT5の実機とストラテジーテスターで確かめた内容です。スプレッドの数字は当サイトのドル円の実測記事によります。
・業者やプラットフォームによって用語の使い方が違う場合があります。実際の注文の前に、ご利用の業者の説明をご確認ください。
情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。