週明けの窓は
埋まる。けれど勝てない
「週明けの窓は埋まる」「ニューヨークのオプションカットで動きが変わる」。相場には、こうした言い伝えがたくさんあります。当たっているものもあれば、当たっていてもそのとおりに売買すると負けるものもあります。
TeamREIが2010年からのティックで4つの言い伝えを数えた結果と、自分の手で確かめるやり方をまとめました。
先に結論
- 週明けの窓は64〜67%が埋まります。それでも平均はマイナスでした。埋まらなかった日の損が、埋まった日の小さな利益を食います
- ニューヨークのオプションカット(NY10時)と、米指標の最初の5分には、何も見つかりませんでした
- 残ったのは月末のロンドンフィックスの後1時間のドル高だけ。ただし年12回・1回2〜3pipsで、これだけで勝てる大きさではありません
- 言い伝えは、数えるか、同じ場面を再生して手で試すかで確かめられます
1. 週明けの窓:埋まる割合は本当。平均はマイナス
金曜の終値と月曜の始値が離れて始まるのが「窓」です。埋まる(金曜の終値まで戻る)かどうかを、月曜の日本時間9時5分に窓と反対方向へ入り、金曜の終値に戻ったら決済、戻らなければ8時間後に決済という決まりで数えました。
| 銘柄・期間 | 回数 | 埋めた割合 | 勝ち | 平均(コスト前) | スプレッドを引く |
|---|---|---|---|---|---|
| USDJPY 2010〜2021 | 500 | 64% | 67.6% | −0.50 | −1.08 |
| EURUSD 2010〜2021 | 489 | 64% | 64.6% | −1.97 | −2.57 |
| GBPUSD 2022〜2026 | 197 | 67% | 71.6% | −0.59 | −1.77 |
| AUDUSD 2010〜2021 | 459 | 64% | 66.7% | +0.54 | −0.64 |
| XAUUSD 2022〜2026 | 226 | 65% | 73.9% | −85.8 | −139 |
単位はpips(金はドル)。平均は1回あたりです。
2. 勝率が高いのに負けるのはなぜか
勝ちが3回に2回もあるのに平均がマイナスになるのは、1回あたりの勝ちと負けの大きさが違うからです。窓は小さく開くことが多く、埋まったときに取れるのはその小さな幅だけ。いっぽう埋まらない日は、窓と同じ方向へそのまま走ることが多く、8時間後に大きな損で決済されます。
勝率だけを見てはいけない
勝率・回数・1回あたりの平均・ばらつきは、4つそろえて初めて意味を持ちます。「勝率70%」とだけ書かれた手法を見たら、平均がいくらかを探してください。書いていなければ、たいていはこの形です。
3. 行事の時刻は効くのか(4つ測って、残ったのは1つ)
決まった時刻に決まった注文が出る行事なら、値動きに偏りが残るかもしれません。4つ測りました。
| 行事 | 結果 |
|---|---|
| NYオプションカット(NY10時) | 何も無し。カット後1時間の動きも値幅も、2時間前と差がありません |
| 米指標の時刻(NY8時30分)の初動 | 何も無し。最初の5分の向きは、その後の55分に続きません |
| 週明けの窓 | 埋まるのは本当。ただし平均はマイナス(上の表) |
| 月末のロンドンフィックス(ロンドン16時) | 後1時間のドル高だけが残りました |
月末のリバランスの注文はフィックスで終わります。その押し上げ(押し下げ)が、終わった後に戻るという形です。ドル高側(USDJPY買い/EURUSD・GBPUSD・AUDUSD売り)に4銘柄を同じ量ずつ持ったときの、1回あたりの結果です。
| 期間 | 回数 | 1回あたり | 勝ち | ばらつきの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 2010〜2021 | 144 | +2.77pips | 59.7% | ±1.06 |
| 2022〜2026 | 56 | +2.53pips | 71.4% | ±1.49 |
その時刻のスプレッドは0.3〜1.0pipsなので、引いても残ります。30分後で切ってもほぼ同じで、2〜4時間まで延ばすと近年は消えます。
この数字の読み方(大事なところ)
・年12回・1回2〜3pipsです。1銘柄あたり年30pips弱で、これだけで勝てる大きさではありません。
・4銘柄はどれもドル絡みです。別々の4つの賭けではなく、同じ賭けを4本持っている形になります。
・ふつうの日(2,969回)では、同じ時刻に差は出ませんでした。月末だけの話です。
スプレッドの広がりで2〜3pipsは簡単に消えます。早朝や指標の前後にどれだけ広がるかは、口座によって差があります。
4. 言い伝えを、自分で確かめる
ここまでは「数えた」結果です。もうひとつ、同じ場面を再生して、自分の手で試すやり方があります。数字では分からない「その場で押せるかどうか」は、手を動かさないと分かりません。
- 日を選ぶ。月末の最終営業日、または窓が開いた月曜を選びます
- その時刻の少し前から再生する。月末のロンドンフィックスなら日本時間の深夜0時ごろ(冬は1時ごろ)、窓なら月曜の朝です
- 結果を知らないまま押す。先の値動きが見えている状態で振り返っても、練習にはなりません
- 記録を見る。何回やって、1回あたりいくらだったか。勝率だけを見ないのは、自分の練習でも同じです
TeamREIでは、この「再生して練習する」ための道具を2つ用意しています。どちらもMT4のチャートをそのまま使います。
無料REI_Sim(MT4のテスターで1枚のチャートを動かす)無料でダウンロードできます。まずはこちらで、過去の相場を動かしながらボタンで売買する感覚を確かめてください。 販売準備中REI_Replay(全時間足が同時に進む再生ソフト)いつものMT4の1分足の履歴から、選んだ日の選んだ時刻を1ティックずつ再生します。日付はランダムにも選べるので、答えを知らない日で練習できます。数え方(この記事の数字の出どころ)
データと数え方
・Dukascopy のティックから作った1分足(mid・2010年1月〜2026年9月・GMT)をTeamREIが集計しました。
・週明けの窓:月曜0時05分(UTC)に窓と反対方向へ入り、金曜の終値に戻ったら決済、戻らなければ8時間後に決済。回数・埋めた割合・勝ち・1回あたりの平均を出し、スプレッドを引いた場合も併記しています。
・月末のロンドンフィックス:月の最終営業日の16時(ロンドン)から1時間、ドル高方向に4銘柄を同じ量ずつ。対照は「同じ曜日×同じ時刻のふつうの日」2,969回です。
・引き分けの扱いはありません。手数料・スワップは入れていません。
過去のデータの集計で、将来も同じになることを保証するものではありません。情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。
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