●MT4インジケーター『REI_Harmonic』

- ハーモニックパターン12種類の形と比率、それぞれの性格
- PRZ(反転しそうな価格帯)の考え方と、D点を追いかけてはいけない理由
- REI_Harmonic の使い方(設定項目・上位足判定・ボタン操作・通知)
- 実際の使いどころと参考戦略(PRZでの構え方/分割利確/損切りの置き場所)
REI_Harmonicについて
値動きの折り返し点(スイング)を5つずつ見て、X→A→B→C→D の値幅の比率がハーモニックパターンの条件に合うものを自動で探すインジケーターです。見つけたら、図形・点の名前(X A B C D)・パターン名・D点の値段をチャートに描きます。
以前公開していた HM_REI の作り直し版です。中身をすべて書き直し、口座認証を外して無料でお使いいただけるようにしました。
旧版から変わったところ
- 口座認証をなくしました。DLLの読み込み許可も要りません。無料でお使いいただけます。
- 設定用のCSVファイルが要らなくなりました。旧版はファイルが無かったり、Excelで開いたままだと数値が全部0になり、何も出なくなっていました。すべてMT4のパラメーターとチャート上のボタンに移しています。
- 自分で引いた線が消える不具合を直しました。旧版はリセット時やチャートから外すときにチャート上の全オブジェクトを消していたため、利用者が引いたトレンドラインや水平線まで一緒に消えていました。
- 過去のかたちも並べて表示できます。旧版は「いちばん新しい5点だけ」を見て、1つ見つけると次を探さない作りでした。
- 上位足(MTF)判定・XAのフィボ補助線・直近の検出パネル・CSV書き出しを新しく付けました。
そもそもハーモニックパターンとは
ハーモニックパターンとは、値動きの波を X → A → B → C → D の5つの折り返し点で捉えて、各脚の長さの比がフィボナッチ比率にそろったときに、D点での反転を狙う手法のことです。
1930年代に H.M.ガートレーが著書で示した形が原型で、その後スコット・カーニーらによって Bat・Crab・Shark などが追加され、いまの分類になりました。
なぜ「比率」なのか
相場の押し・戻りの深さは、まったくばらばらではなく、0.382・0.5・0.618・0.786 といった似た比率の付近で止まりやすいことが古くから知られています。フィボナッチ比率が意識されるのは、多くのトレーダーがその比率で注文を置くからです。
ハーモニックパターンは、その押し戻りが4回続けて特定の比率にそろった形に名前を付けたものです。「たまたま止まった1本の線」ではなく、4つの比率が同時にそろった場所なので、意識される度合いが高いと考えられています。
2つのタイプがあります
| タイプ | かたち | 意味 |
|---|---|---|
| 内側で終わる型 (AD が 1.0 未満) | Gartley・Bat・Cypher・Alt Bat | D点が X の手前で止まります。大きな流れが続いている中の、深い押し目・戻り目にあたります。トレンドに沿って入る形です。 |
| 外へ抜ける型 (AD が 1.0 超) | Butterfly・Crab・Deep Crab・NenStar・Shark | D点が X を越えて伸びます。行き過ぎたところからの反転を狙う形です。逆張りになるぶん、外れたときの伸びも大きくなります。 |
Black Swan・White Swan・5-0 は、上のどちらとも違う特殊な比率の組み合わせです。
検出する12のかたち
比率の見方は AB = |B-A| ÷ |X-A|、BC = |C-B| ÷ |A-B|、CD = |D-C| ÷ |B-C|、AD = |D-A| ÷ |X-A| です。数値は旧版HM_REIの既定値をそのまま引き継いでいます。
| かたち | AB | BC | CD | AD |
|---|---|---|---|---|
| Gartley | 0.568 – 0.668 | 0.382 – 0.886 | 1.172 – 1.618 | 0.736 – 0.836 |
| Bat | 0.382 – 0.500 | 0.382 – 0.886 | 1.618 – 2.618 | 0.836 – 0.936 |
| Butterfly | 0.736 – 0.836 | 0.382 – 0.886 | 1.618 – 2.618 | 1.222 – 1.322 |
| Crab | 0.382 – 0.618 | 0.382 – 0.886 | 2.618 – 3.618 | 1.568 – 1.668 |
| Alt Bat | 0.332 – 0.432 | 0.382 – 0.886 | 2.618 – 3.618 | 1.078 – 1.178 |
| Cypher | 0.382 – 0.618 | 1.128 – 1.414 | 1.272 – 2.000 | 0.736 – 0.836 |
| NenStar | 0.382 – 0.618 | 1.128 – 1.414 | 1.272 – 2.000 | 1.222 – 1.322 |
| Deep Crab | 0.836 – 0.936 | 0.382 – 0.886 | 2.236 – 3.618 | 1.568 – 1.668 |
| 5-0 | 1.128 – 1.618 | 1.618 – 2.236 | 0.500 – 0.618 | 指定なし |
| Shark | 指定なし | 1.128 – 1.618 | 1.618 – 2.236 | 0.886 / 1.128 / 1.618 |
| Black Swan | 1.382 – 2.618 | 0.236 – 0.500 | 1.128 – 2.000 | 1.128 – 2.618 |
| White Swan | 0.382 – 0.724 | 2.000 – 4.237 | 0.500 – 0.886 | 0.382 – 0.886 |
比率の許容を 0.05(既定)にすると、表の上下に 0.05 ずつ幅を足して判定します。0 にすると教科書どおりの厳しさになりますが、ほとんど出なくなります。数を増やしたいときは 0.10 まで広げてください。
12のかたちをボタンで出し入れできます

パネルには、かたちごとに「いちばん新しい検出がいつ・どちら向きに出たか」が並びます。
その下のボタンで、12のかたちを1つずつ出し入れできます。押した瞬間に描き直します。旧版のようにCSVファイルをExcelで編集する必要はありません。
画面の見方
| もの | 意味 |
|---|---|
| 実線 4本 | XA・AB・BC・CD の各脚 |
| 点線 2本 | XB・BD。かたちの輪郭が見えるように引いています |
| X A B C D | 折り返し点の名前 |
| 矢印(青▲/赤▼) | D点。買いのかたちは青、売りのかたちは赤 |
| パターン名 D=… | かたちの名前と向き、D点の値段 |
| TP/SL の点線 | 目安の利確・損切り。位置は設定で変えられます |
| XA 0.382 … 0.886 | 直近のかたちの XA フィボ線(灰色) |
| 細い折れ線 | 折り返し線。かたちの元になっているスイングです |
パネル
REI Harmonic 判定する足 H1 / Depth 12 6000本で 24件 Gartley ▲ 買い 2026.05.25 04:00 (1681本前) Bat ― この窓では出ていません Butterfly ▼ 売り 2026.08.18 09:00 (417本前) ... □ 出来かけのかたちはありません
かたちごとに、いちばん新しい検出がいつ・どちら向きに出たかを並べます。下の1〜2行は PRZ の状態です。
PRZ(出来かけのかたち)
X A B C まで折り返しが揃うと、次のDがどこに来るかを2つの方法で見積もれます。①CDの伸び幅から(Cから BC幅の何倍か)と、②ADの比率から(Aから XA幅の何倍か)です。
REI_Harmonic はこの2つが重なる範囲だけを PRZ として帯で描きます。重ならないかたちは候補から外します。値段が帯の中に入ると画面に表示し、通知を出すこともできます。
D点は「その場」では決まりません
ここは大事なところなので書いておきます。折り返しは、そこから「かたちの大きさ」の本数ぶん動いて初めて確定します。
かたちの大きさ S(12)の1時間足なら、D点が出たと分かるのは早くても12時間あとです。「D点確定」の通知が来た時点では、値段はすでにDから離れています。D点の値段でそのまま入れるわけではありません。
PRZの帯は、このずれを避けるためにDが来る前に出しています。ハーモニックを使うなら、D点の確定を待つよりPRZで構えるほうが理屈に合います。
かたちの大きさの決め方
| 設定 | 性格 |
|---|---|
| S 小さめ(既定) | 細かく拾う。回数が多く、確定も早い。持ち合いでも出ます |
| M ふつう | 中くらいの波。旧版の既定値です |
| L 大きめ | 大きな波だけ。回数は少なく、確定までの時間も長くなります |
スキャルピングなら S、日をまたぐなら M か L、というのが目安です。大きくするほど「D点が決まるまでの待ち」も長くなることを頭に入れて選んでください。
上位足(MTF)で使う
判定する足に上位足を指定すると、その足の折り返しでかたちを探して、いま開いているチャートに重ねて描きます。図形も PRZ も TP/SL もすべて上位足基準になります。
矢印と図形はその上位足が閉じた時点の位置に置きます(先に見えていたように映るのを避けるため)。
なお折り返しの線そのものは、MTF のときは描きません(下位足のチャートに引くと折り返しの位置がずれて見えるためです)。
REI_Harmonicの使い方
インストール方法
ダウンロードした REI_Harmonic.ex4 を、MT4の「ファイル → データフォルダを開く」→ MQL4 → Indicators に入れて、MT4を再起動してください(またはナビゲーターを右クリック → 更新)。
あとはナビゲーターの「インディケータ」から、チャートにドラッグするだけです。
設定項目(すべて)
| 項目 | 既定値 | 意味 |
|---|---|---|
| 共通 | ||
| 判定する足 | 現在の足 | 上位足を選ぶとMTFになります |
| かたちの大きさ | S 小さめ | M ふつう/L 大きめ。上の章を参照 |
| 折り返しの許容/戻り本数 | 5 / 3 | 小さな揺れを折り返しと数えないための調整です |
| かたちを探す本数 | 6000 | さかのぼる範囲。多いほど重くなります |
| 比率の許容 | 0.05 | 0 で教科書どおり(ほとんど出ません)。0.10 まで広げると数が増えます |
| 識別番号 | 1 | 同じチャートに2枚入れるときだけ変えてください |
| 拾うかたち | ||
| 12種類の on/off | すべて true | ボタンでも切り替えられます |
| 表示 | ||
| チャートに残すかたちの数 | 3 | 新しいほうから何個ぶんの図形を残すか |
| 折り返しの線を出す | true | MTFのときは出ません |
| PRZ を出す | true | 出来かけのかたちの帯 |
| 目安の利確・損切り線を出す | true | ― |
| 買い/売り/PRZ の色 | ― | お好みで |
| 目安の線 | ||
| 利確の目安 | 1.000 | D から A へ戻す割合。1.0 で A まで |
| 損切りの目安 | 0.500 | D から逆に、AD幅の何倍か |
| XA のフィボ線を出す | true | 直近のかたちにだけ引きます |
| 操作パネル・知らせ・出力 | ||
| 状態と直近の検出を出す | true | ボタンで畳めます |
| PRZ ができたら知らせる | false | X A B C が揃った時点 |
| D点が決まったら知らせる | false | 折り返しがD点を確定した時点(かたちの大きさの本数ぶんあと) |
| メール/スマホ通知 | false | ― |
| 見つけたかたちをCSVに書き出す | false | MQL4/Files/REI_Harmonic_通貨ペア_足.csv(時刻・名前・向き・XABCD・TP・SL) |
有効な使い方と参考戦略
ここに挙げるのはあくまで一例です。勝てることを保証するものではありません。ご自身の手法に合うかどうかを、必ずご自分で確かめてから使ってください。
1. D点の通知ではなく、PRZで構える
いちばん大事なところなので繰り返します。「D点が決まった」という通知は、すでに折り返しが進んだあとに届きます。そこから追いかけると、いちばん悪い値段で入ることになります。
実用的な流れはこうです。
- PRZの帯が出たら、その通貨ペア・時間足を見る対象に入れる(「PRZができたら知らせる」をオンにしておく)
- 帯の中に値段が入ってくるのを待つ
- 帯の中で反転の合図が出たら入る(次項)
- 帯を明確に抜けたら、そのかたちは無かったことにする
2. PRZの中で「入る合図」を待つ
PRZは範囲であって、1点ではありません。帯に触れた瞬間に指値で入ると、帯の中を突き抜けられて終わることがあります。
そこで、帯の中でローソク足が反転の形を作るのを待つという組み合わせが有効です。当サイトの REI_PriceAction を同じチャートに入れておくと、PRZの中でピンバーや包み足が出た瞬間が目で分かります。
「場所」をハーモニックが決め、「入る合図」をプライスアクションが出す。この2本を一緒に配布しているのは、この役割分担のためです。
3. PRZに別の根拠を重ねる
PRZが他の節目と重なっているときは、それだけ意識される場所だと考えられます。
- 上位足の直近高安・前日高安・今週の高安
- キリ番(RoundNumber でラインを引けます)
- このインジケーターが引く XAのフィボ線(0.618 や 0.786 と PRZ が重なるか)
- 上位足のハーモニック……「判定する足」を上げた2枚目を入れて、上位足のPRZと下位足のPRZが重なる場所を探す
逆に、何もない値幅の真ん中に出たPRZは、見送る判断もあります。
4. 利確は分けて取る
このインジケーターが引く TP の線は「D→A の 100%」が既定値ですが、そこまで一気に戻るとは限りません。実務上は分割するのが一般的です。
- 1段目……CD幅の 0.382 戻し。ここで建玉の一部を落として、残りの損切りを建値へ動かす
- 2段目……CD幅の 0.618 戻し
- 3段目……A点(=このインジケーターの既定のTP)
「利確の目安」の数値を 0.382 や 0.618 に変えると、その位置に線が引かれます。
5. 損切りは X の外側
ハーモニックの前提は「Dで反転する」ことです。外へ抜ける型(Butterfly・Crab など)では、Xを明確に越えた時点でその前提が消えます。損切りはその外側に置くのが筋です。
既定の SL は「AD幅の 50% 逆行」です。パターンによっては X より手前になるので、X の位置と見比べて、狭すぎないかを確認してください。損切り幅が許容を超えるなら、そのかたちは見送るのが筋です。
6. かたちの大きさと時間足の組み合わせ
| 使い方 | 目安 |
|---|---|
| デイトレ・スキャル | 5分足〜15分足 + S 小さめ。回数が多く、確定も早い |
| スイング | 1時間足〜4時間足 + M ふつう。1週間に数回の頻度 |
| 大きな転換だけ | 4時間足〜日足 + L 大きめ。数は少ないが、反転したときの値幅が大きい |
大きくするほど「Dが決まるまでの待ち」も長くなります。日足で L(60)なら、Dが確定するのは2か月後です。だからこそPRZで構える必要があります。
7. かたちを絞る
12種類すべてを出すと、チャートが埋まります。最初は Gartley・Bat・Butterfly・Crab の4つだけに絞って、形に目を慣らすことをおすすめします。ボタンで一つずつ切れます。
Black Swan は比率の幅が広いぶん検出数が多くなります。数が多すぎると感じたら、まずここを切ってみてください。
やらないほうがいいこと
- 形が出たから、値段を見ずに入る。このインジケーターは形しか見ていません。指標発表の直後や、取引日の切り替わりで出た形は、値動きの歪みを拾っているだけのことがあります。
- 「比率の許容」を広げすぎる。0.10 を超えると、ハーモニックとは呼べない形まで拾いはじめます。数を増やしたいなら、許容ではなく時間足を下げるほうが筋です。
- D点確定の通知でそのまま成行で入る。1番のとおりです。
- PRZを抜けたのに、戻ると信じて持ち続ける。抜けた時点で、そのかたちの前提は無くなっています。
使うときの注意
この道具は「かたちを見つけて教える」ところまでを担当します。そのかたちをどう使うか――D点で入るのか、PRZで待つのか、他の根拠と重ねるのか、そもそも見送るのか――は、お使いになる方の判断です。TP/SLの線はすべて目安として引いています。
また、折り返しは確定するまで動きます。出来かけの折り返しに基づく表示はあとから変わります。これは折り返しを使う道具すべてに共通する性質で、不具合ではありません。
免責事項
- 本ツールは相場の分析を助けるためのものです。売買を推奨するものではありません。
- 折り返しは確定するまで動きます。出来かけの折り返しに基づく表示は、あとから変わります。これは折り返しを使う道具すべてに共通する性質で、不具合ではありません。
- TP/SL の線は目安です。実際の注文位置を指示するものではありません。
- 表示はお使いのMT4に入っている履歴の範囲で行われます。ブローカーによって四本値が異なるため、表示が完全に一致するとは限りません。
- 売買の判断はご自身の責任でお願いします。本ツールの使用によって生じた損失について、制作者は責任を負いません。
●ダウンロード
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ダウンロードされるのは REI_Harmonic.ex4 の1ファイルだけです。使い方はこのページに全部書いてありますので、取扱説明書の同梱はしていません。
口座認証はありません。DLLも使いません。設定用のCSVも作りません。
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