スリッページ=注文した値段と
約定した値段のずれ
TeamREIのツールの説明書やパネルに出てくる言葉を、1つずつ解説しています。今回はスリッページと、その裏にある約定の話です。
ひとことで言うと
- スリッページ=注文を出した値段と、実際に成立した値段のずれ。有利にずれることも不利にずれることもありますが、動きが速い場面では不利側が多くなります。
- 逆指値(損切り)でも滑ります。逆指値は「触れたら成行で出す」注文だからです。
- バックテストの成績は、約定をどう数えるかだけで大きく変わります。TeamREIの検証では、数え方を変えただけで同じ戦略の成績が1.7倍になりました。
スプレッドとの違い
| スプレッド | スリッページ | |
|---|---|---|
| 正体 | 買値と売値の差(常にある) | 注文した値段と約定値のずれ |
| いつ増えるか | 指標・早朝・週明け | 値段が飛ぶとき・注文が集中するとき |
| 事前に分かるか | 画面で見える | 出してみるまで分からない |
どちらも「読みが当たっていても削られる」コストです。数pipsを狙う取引ほど、この2つが成績を決めます。
滑りやすい場面
- 指標の発表直後。TeamREIの実測では、FOMCの声明の1分の最大スプレッドは中央値8.5pips、いちばん開いた回は29.8pipsでした。日銀の発表でも中央値4.5pipsです。
- 早朝と週明け。ドル円11年分の集計では、夏の6時台のスプレッドが3.27pips(日中は0.44pips)、月曜の朝は4.46pipsでした。
- 窓が開いたとき。週末をまたいで値段が飛ぶと、損切りの値段は通り越して約定します。
バックテストとスリッページ
過去のデータでのテストは、「どの値段で約定したことにするか」を自分で決めているという点に注意が要ります。
| 数え方 | 結果の傾向 |
|---|---|
| 足の終値で約定したことにする | 実際より良く出やすい |
| 買いは売値、売りは買値で数える(スプレッド込み) | 現実に近い |
| 指標の瞬間だけスプレッドを広げる | さらに現実に近い |
TeamREIが同じ戦略を2通りの数え方で回したところ、成績が1.7倍変わりました。テストの数字を見るときは、勝率やPFより先に「約定をどう数えたか」を確かめてください。
あわせて読む バックテストで勝てるのに本番で負ける理由|成績が4割消えた実例 約定の数え方のほかに、テストと本番が食い違う原因を6つまとめています。滑りを小さくするためにできること
| やり方 | 効きめ | 引き換えに |
|---|---|---|
| 指標の前後を避ける | いちばん効く。スプレッドも滑りも平常時に戻ります | その時間の値動きは取れません |
| 許容スリッページを設定する | 指定より滑ったら約定させない(MT4の注文画面・EAの設定) | 注文が通らず入れないことがあります |
| 指値で入る | 値段を自分で決められます | 届かなければ入れません |
| 損切り幅を広めに取る | 数pipsの滑りの影響が相対的に小さくなります | 1回の損失額は増えます(ロットで調整) |
| 週末をまたいで持たない | 窓で飛ばされる事故を避けられます | 長く持つ戦略には使えません |
数pipsを狙う取引ほど、滑りとスプレッドが成績のほとんどを決めます。TeamREIの検証でも、勝率を左右していたのは「取引コスト ÷ 損切り幅」でした。
よくある質問
滑るのは業者が悪いのですか?
一概には言えません。値段が飛んだ瞬間は、その値段で買いたい・売りたい相手がいないため、次に成立する値段まで飛びます。ただし、ふだんの時間帯に大きく滑り続けるなら、条件を見直す材料になります。
有利な方向に滑ることもありますか?
あります(プラススリッページ)。ただし動きが速い場面では、不利側のほうが多くなりやすいです。
バックテストにスリッページを入れるべきですか?
入れたほうが現実に近づきます。最低限、買いは売値・売りは買値で数える(スプレッド込み)ところから始めてください。ここを直すだけで成績は大きく変わります。
TeamREIのツールでは、どこに出てくるか
| ツール | 出てくる場所 |
|---|---|
| REI TradePanel | 損切り額の表示(スプレッドと手数料を込みで計算します) |
| REI_Replay | 練習のときのスプレッドとスリッページの設定 |
| 成績公開 | 公開している数字は、スプレッド込みの数え方で集計しています |
関連する用語:成行・指値・逆指値/取引コスト/PF・ドローダウン
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この記事について
・スプレッドと値幅の数字は、Dukascopyのドル円ティックをTeamREIが集計した当サイトの実測記事によります。「約定の数え方で1.7倍」は自社EAの検証で確認した実例です。
・スリッページの出方は業者・銘柄・注文の量によって異なります。
情報提供を目的としたもので、特定の取引や口座開設を勧めるものではありません。