モデリング品質90%は
「本物のティック」ではありません
TeamREIのツールの説明書や検証の話に出てくる言葉を、1つずつ解説しています。今回はモデリング品質です。MT4のストラテジーテスターの結果画面に、必ず出てくる数字です。
ひとことで言うと
- モデリング品質=テスト中の値動きを、どれだけ細かく再現できたかの目安(%)。
- 90%が上限の表示で、これは「1分足のデータが十分にそろっている」という意味です。
- 90%でも、使われているのは1分足から作った疑似的なティックです。本物の値動きそのものではありません。
- n/aと出るときは、そもそも判定できていません(1分足が無い時間足のテストなど)。
表示の意味
| 表示 | 意味 | どう見るか |
|---|---|---|
| 90% | 1分足がそろっている状態での最高表示 | これが出発点。ここからが本題です |
| 25%〜75% | 1分足に欠けがある/上位足から補っている | 結果は参考程度 |
| n/a | 判定できない(データ不足) | データを入れ直します |
90%が保証していないこと
ここが誤解の多い点です。90%は「1分足がそろっている」ことを示すだけで、次のことは何も保証しません。
- 1分の中での動きの順番。高値と安値のどちらに先に触れたかは、作り物の値動きで決まっています。損切りと利確の両方に届く場面では、ここだけで勝ち負けが入れ替わります。
- スプレッドの開き方。テスターはふつう、その時の1つの値を使います。指標の瞬間に開く(TeamREIの実測でFOMCの1分は中央値8.5pips)という動きは再現されません。
- 約定の仕方。実際に滑ったかどうかは、データには入っていません。
実測:数え方を変えただけで成績は1.7倍になりました
TeamREIが同じ戦略を、約定の数え方(買いは売値か買値か、スプレッドを入れるか)を変えて回したところ、成績が1.7倍変わりました。品質90%と書いてあっても、この部分は自分で決めているということです。
長所と短所(この数字の使いどころ)
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| データ不足にすぐ気づける(n/aや低い%) | 90%になっても、現実に近いとは限らない |
| 他人のテスト結果を見るときの最低条件になる | 数字が独り歩きして「90%=正確」と誤解されやすい |
| 同じ条件で比べる土台になる | スプレッド・滑り・手数料は別に考える必要がある |
「90%かどうか」は入口のチェックで、合格点ではありません。90%であることを確かめたうえで、スプレッドと約定の数え方を自分で決める——この順番です。
品質を上げる・近づける手順
- 1分足のデータを埋める。ヒストリーセンターで、テストする期間の1分足がそろっているかを見ます。
- 期間を、データのある範囲に合わせる。足りない期間を含めると品質が落ちます。
- スプレッドを固定値で入れる。テスターの初期値は「いまのスプレッド」なので、週末に回すと広がったままになります。ふだんの値を固定で入れるほうが安定します。
- 実ティックで回す。1分の中の順番まで含めて確かめたい場合は、実際のティックのデータで回します。
よくある質問
99%と書かれたテスト結果を見ました
MT4の標準の表示は90%が上限です。それ以上の数字は、別の道具でティックを流し込んで回した場合の表示です。数字そのものより、どうやって回したかの説明があるかを見てください。
品質90%なら、そのまま信じてよいですか?
いいえ。前提として必要なだけです。スプレッド・手数料・滑りを入れたか、期間はいつか、何回の取引かを合わせて見ます。
テスターのスプレッドはどう設定しますか?
固定値を入れるのが無難です。TeamREIも、週末に回したら「いまのスプレッド」が広がったままで、取引が1件も出なかったことがありました。
実ティックで回すと、どれくらい変わりますか?
戦略によります。TeamREIのBO用の検証では、テスターがスプレッドを0にできず最小0.1pipsで動くだけで、1回あたり2〜3%成績が落ちました。短い時間足ほど差が大きく出ます。
TeamREIのツールでは、どこに出てくるか
| ツール | 出てくる場所 |
|---|---|
| tickbt | 実ティックでバックテストを回し、品質と約定の数え方を確かめます |
| EA検証サービス | レポートで、テストの前提(データ・期間・コスト)を明記します |
| REI_Sim(無料) | テスターの仕組みを使って、手順を練習できます |
関連する用語:ヒストリカルデータ/スリッページ/最適化・カーブフィッティング
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この記事について
・「約定の数え方で1.7倍」「テスターのスプレッド0.1pipsで2〜3%落ちる」「週末のテストで取引が出ない」は、いずれもTeamREIがMT4のテスターで確認した実例です。
情報提供を目的としたもので、特定の取引や商品を勧めるものではありません。